「性能を高めたいならエンジンを大きくすればいい」。1970年代の中盤にさしか
かるまで、アメリカ車はそんな発想でエンジンを、そしてボディを拡大し続けてき
た。この頃のアメリカ車が好きだったファンの多くは、ハイテクメカニズムを駆使
し、国産車と同程度の排気量までサイズダウンされた今日のアメリカ車に、物足り
なさを感じているようだ。
そのような人達に羨望の目で見られているのが、1992年にデビューしたバイパー。エンジ
ンはV型10気筒で排気量は8リッター。最高出力は450馬力で最大トルクは何と67.
7kg-mに達している。シェルビーコブラ427ACを始め、往年のアメリカンスポーツの
多くが最高出力425馬力という数値を上限にしていたから(これは言わばスタン
ダード的な数字で一部にはそれをオーバーするモデルもあったが)、450馬力の最
高出力と67.7kg-mという最大トルクの組み合わせは、絶大な説得力を持っている。
しかもトランスミッションは6速マニュアル、駆動方式は当然に後輪駆動で、さ
らに車両重量は1590kg。1馬力が負担する車両重量は僅か3.5kgに過ぎず、その動
力性能は凄じい。まさに究極のモンスターマシンといってよいだろう。
エクステリアデザインも、絶大なパワーを象徴する迫力に満ちた仕上がりを見せ
ている。