レポート : 曽宮 岳生
次期 Aクラスではオートマチックの代わりに“オートトロニック”と呼ばれる新開発のCVTが組み合わされる。CVTの採用はメルセデス・ベンツにとって初の試みとなるが、シフトショックのないスムースなギアチェンジやトルク伝達効率の高さなどそのメリットは多く、メルセデスはその良さを活かして従来のATには無かった新しい機能を与えている。 オートトロニックのシフトレバーは通常の ATと同じようにP・R・N・Dと並び、走行モードはコンフォート(快適モード)とスタンダード(標準モード)をボタン操作で選べるようになっている。コンフォートモードでは、低いエンジン回転数を保ち、緩やかな発進や省燃費運転に向くセッティングに。一方、スタンダードモードではドライバーのアクセル操作に素早く反応し、高回転をキープするようなスポーティな走りが可能になる。また、従来のティップシフトと同じようにシフトレバーを左右にスライドさせれば、エンジンブレーキを積極的に使った走りなど、ドライバー主導のドライビングも楽しめるようになっている。 サスペンションはフロントにはストラットの改良版、リアには“パラボリック・リア・アクスル”という新開発の独立懸架サスを採用。さらに、ショックアブソーバーには“セレクティブ・ダンピング・システム”と呼ばれる新機構を投入している。この新システムは電子制御を一切使わずにショックアブソーバー内のコントロールピストンが負荷に応じてオイル経路を変化させ、減衰力を可変させるという仕組み。 これにより通常はソフトな設定を保ちつつ、コーナリングではハードな設定に変化するという。乗り心地の良さとダイナミックなハンドリング性能を両立しているというからその走りには期待がかかる。このほか、ステアリング機構を従来の油圧式から電動パワステに改めるなど、次期 Aクラスには新開発メカニズムが惜しみなく投入されているのだ。 これらの内容を見ると、次期メルセデス・ベンツ Aクラスは7年ぶりのフルモデルチェンジにふさわしい進化を遂げている。従来車では安全性の高さに目がいきがちだったが、次期モデルではそれに加えスポーティな走りも期待できそうだ。