
取材協力 :ダイムラー・クライスラー日本株式会社
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新型車
(2002年4月25日発表)
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CLKは基本的なメカニカルコンポーネントをCクラスから流用しているが、価格はずっと高い。3.2リッターのV6を積んだCLK320の価格は720万円。同じエンジンを積むC320より110万円高く、E320と比べても10万円高い。けれど、CLKを買った人は誰一人とて「割高な買い物だった」とは感じていないはずだ。
例えば、遠くさかのぼってみれば、フォルクスワーゲン・ゴルフにいきつくアウディTTに「中身がゴルフなのに高い」という評価がまったく当てはまらないのと同じことである。大切なのは、そのクルマがもっている“世界”なり“価値”なりがプライスと釣り合っているかどうか。その点において、CLKには間違いなくCクラスをはるかに上回るエクスクルーシブな世界観が備わっている。
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CLKの特徴は、何といってもその美しいスタイリングにある。もともと実用性に欠ける2ドアクーペという乗り物は、美しくなければ存在価値がないというのが僕の持論だが、CLKには十分に存在価値がある。強く傾斜したフロント&リアスクリーンをつなぐ柔らかで美しいルーフラインは、セダンでは決して表現できないエレガンスさを強く感じさせてくれるし、Cクラスよりもずっと贅沢なクルマに見える。人によってはEクラスよりも立派なクルマだと感じるのではないだろうか。
メルセデスは先代(初代)CLKにEクラスとそっくりの顔を与えることによって“車格”をアピールしていた。しかし新型の顔はCクラスともEクラスとも違うCLK独自のものになっている。これは、“CLKがすでにマーケットに受け入れられている”というメルセデスの自信の現われともとれる。実際、新型CLKのルックスは、先代(初代)CLKの面影を強く残している。ピラーレス化による美しいサイドウィンドウ・グラフィックや、より緻密になった面の表情、クリア感を増したランプ類などで新しさを強くアピールする一方、誰が見てもCLKであることがひと目でわかる。この“継承”と“進化”のさじ加減は実にメルセデスらしい部分だ。
クーぺながらも後席がちゃんと使えるという実用性を備えているのもCLKの特徴だ。クーペは基本的に前席の人のためのクルマであり、後席の重要性は相対的に低下する。言い換えれば、後席スペースを確保するためにスタイルを犠牲にするような2ドアクーペは魅力的ではないということ。しかしCLKのルックスを見れば、このクルマが快適な後席を備えていることに対して不満を口にする人はいないだろう。
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ラインナップは2.6リッターのV6を積むCLK240と3.2リッターのV6を積むCLK320の2種類。カブリオレもあるが、これは旧型の継続販売となる。590万円のCLK240でもパフォーマンス面にそれほど不足はないが、タイヤが16インチであることや本革シートがオプションであることなど“大人のための贅沢な2ドアクーペ”としては少々物足りなさがある。17インチタイヤを履くCLK320のほうがずっとスポーティで立派に見えるのだ。そんなわけで、もし僕がCLKを買うとしたら多少無理をしても320を選ぶだろう。ただし、奥さんや娘さんに買ってあげるのなら240で十分だ。
CLK320の3.2リッターV6ユニットは、出来のいい5速ATとあいまって、いかなるシーンでも望みどおりの加速を生みだしてくれる。透明感のあるサウンドや精密機械のよう
なスムースさも気持ちがいい。加えて、ピラーレスの2ドアハードトップとしては異例なレベルまで高速走行時の風音を抑え込んでいるのも印象的だった。
2ドアクーペとはいえ、CLKはエレガントさを重視した大人のクーペだ。だから、スポーツカーのようなガチガチの足まわりは似合わない。しかしこの点でも、メルセデスのエンジニ
アは素晴らしい解答を示している。ガッチリしたボディとしなやかに動くサスペンションは、路面を問わず常に最上級の快適性を与えてくれるし、ハンドリングもいい仕上がりだ。
いた ずらにレ
スポンスを上げず、ステアリング操作に対して“ジワリ”といっ た感覚でノーズが 動く。だから、ペースを上げてワイ ンディングロードを走るといったシチュエーションを含め、常に気持ちのいい身のこなしを味わえる。
欧米ではセダンやRVより贅沢でスタイリッシュなクルマとしてクーペ人気が高い。それに対し、日本ではかつてクーぺを好んでいた若者がRVに流れた結果、クーぺ市場は冬の時代を迎えてしまった。しかし“大人の男性のためのライフスタイル誌”が売れている状況を考えると、そう遠くない将来、日本のミドルたちがクーぺに目を向け始めるのかもしれない。そんなとき、CLKは選択肢の第一候補として大いに注目すべき存在だ。
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