
取材協力 :日産自動車株式会社(2002年5月30日取材)
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フルモデル
(2002年5月21日発表)
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ニッサン・エルグランドが属するクラスは、国産ミニバンのなかでも最大級。ライバルには、トヨタのグランビアやグランドハイエース、ハイエースワゴン、ホンダ・ラグレイドなどが存在する。ただ、エルグランドが新型に生まれ変わったのとほぼ同時に、トヨタも新車種“アルファード”を市場に投入している。こちらは、前述したグランビア、グランドハイエースに、レジアス、ツーリングハイエースといった5ナンバー車を加え、4車種を統合したとするモデルだ。とはいえ、このクラスの販売動向を振り返ってみると、エルグランドが初代からトップの座に君臨している。ニッサンの苦しい時期を支えてきた孝行息子のエルグランド、そのフルモデルチェンジとあって、新型の開発コンセプトには“ライバルは先代エルグランド”、“キング・オブ・ミニバン”、“ミニバンのシーマ”といった威勢のいい言葉が並んでいる。
従来のエルグランドで好評だった迫力のあるエクステリア・デザインや3.5リッターV6を搭載したFRレイアウトなどを継承した、いわゆる“キープコンセプト”による進化である。しかし、新たに両側スライドドア(一部に片側スライドも設定)やマニュアル機構付き5速AT、8インチワイド(!)という大型モニターを持つDVDナビ(しかも後席用モニターも同サイズで用意)、インテリジェントキーが採用され、セドリック/グロリアからリア・マルチリンク・サスペンションが移植されるなど、5年前からは想像もつかないほどの高級化を果たしている。 |
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ダッシュボード後端からバックドアまでを計測した室内長では、僅差ながら宿敵アルファードに負けているエルグランドだが、ニッサンの開発陣にいわせると、「これはセンターコンソールが張り出したデザインを採用しているためで、ペダルからバックドアまでを計った有効室内長においてはエルグランドのほうが広い」と胸を張る。また、プロペラシャフトを持つFR車でフロア高を低く抑えるのは至難の技だが、今回のエルグランドではセカンドシートのヒップポイントを先代より40mm低く設定したという。「新幹線のグリーン車よりも広い」というセカンドシートは、事実、快適である。しかも、さすがにこの車格となると、サードシートでも身長178cmのレポーターが十分にくつろげるのだ。
セカンドシートとサードシートは同レールによるロングスライドとなっており、サードシートは左右跳ね上げ式で折り畳みが可能。また、セカンド・キャプテンシートの7人乗りとベンチシートの8人乗りという、シートの基本的なアレンジはもはやミニバンの定番といえるもの。しかも、新型エルグランドには、ふたつの新機軸が採用されている。ひとつは、売れ筋の8人乗り仕様に用意された“マルチセンターシート”で、これはセカンドシートのセンター部に設けられた独立した小型スライドシートがキモ。このセンターシートを前後にスライドさせることによって、様々なレイアウトが楽しめるのだ。まず、そのまま背もたれを前に倒せば大型アームレストとなってセカンドはキャプテンシート並みの快適空間に。そして、前後にスライドさせればセカンドシートからサードシートへのウォークスルーが可能となる。また、回転対座モードではテーブルとしても使え、座面下は収納スペースになっていて、ソニーのプレステ2がピッタリ収まるサイズだとか。もはや、クルマというより“自宅の居間”といった感覚である。
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新型エルグランドのエンジンは従来どおりのVQ型3.5リッターのみで、駆動方式はFRの2WDとオールモード4×4。そして、16インチホイールの標準仕様と17インチホイールで10mmローダウンを果たしたハイウェイスターが用意されている。今回試乗したのは2WDのみで、仕様は8人乗りの“X”と同じく8人乗りの“ハイウェイスター”である。
走ってみた印象は、何より静かであるということだ。スムーズなVQエンジンの特性がその源になっているのは確かだろうが、5速ATを新採用したことで静粛性は格段に向上。特に高速道路での静かさは特筆に値する。さすがに、シーマに匹敵するとまではいえないが、それでも“セドリック/グロリア並の静かさ”とはいえる。また、リアにマルチリンク・サスペンションが与えられたことにより、乗り心地も快適そのもの。標準仕様はもちろんのこと、ハイウェイスターにおいても、スポーティなハンドリングを狙った極端なセッティングでないため、実にゆったりとしたクルージングを楽しむことができる。もっとも、これだけの巨体だから、ワインディングロードで積極的に振り回そうとすると冷や汗をかく場面がなくもないが、全体的には非常によくまとまったフットワークといえる。
3.5リッターのパワーユニットが絞り出す動力性能に不満などあろうはずもなく、それこそスロットルをひと踏みすれば、周りのスポーティカーを蹴散らすことなど朝メシ前。こうした余裕の性能に加え、巨大ヘッドランプとビレットグリルを核としたフロントマスクのデザインやフロント部分だけが絞り込まれたキャノピー風デザイン、ボディサイドを走るフェンダーラインなど、存在感と新しさを両立するエクステリア・デザインも気に入った。さすが“キング・オブ・ミニバン”とニッサン自ら呼ぶだけのことはある。シーマ、プリメーラ、ウィングロード、マーチに続いて登場した新型エルグランド・・・・・・。そろそろ“デザインの日産”というキャッチフレーズが与えられそうな気がする。
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