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トヨタ イスト
取材協力 :トヨタ自動車株式会社(2002年5月16日取材)
※それぞれの写真をクリックすると拡大表示します

緊急試乗レポート トヨタ イスト
トヨタ イスト
ニューモデル
(2002年5月8日発表)
 
レポート 佐野 弘宗
写真 中野 英幸
トヨタ イスト クルマ総合カタログ
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トヨタ イスト プロフィール
トヨタ イスト トヨタの新型車“ist(イスト)”は、ヴィッツ、プラッツ、ファンカーゴ、bB、ウィルViに続く、ヴィッツのコンポーネンツを使った6番目のモデルである。企画自体がスタートしたのは2000年の初頭だそうで、簡単にいうと“おもに女性受けを狙ったスペシャリティ・コンパクト”がもともとのコンセプトであったようだ。車高を上げたSUV風のスタイリングといえなくもないが、これも大径タイヤを履かせたアクティブな雰囲気によるもので、オフロード走行は意図していないようだ。事実、185/65R15サイズのタイヤはまったく普通のサマータイヤだし、1530mmという全高もヴィッツより30mm高いだけである。
 エンジンは1.3リッターと1.5リッターの2種類で、4WD(1.5のみ)を含めて全車が☆☆☆の超-低排出ガス認定を取得。乗り味もとくに静粛性や品質感に気を配り、ヴィッツより上質なものを目指したというが、1.3リッターで118万円から、1.5リッターで142万円からという価格設定は、ヴィッツ1.3リッター車のそれを考えれば、ほぼ同等といえる。


ボディ内外の凝ったデザインが一番のハイライト
トヨタ イスト トヨタ イスト
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 2370mmというヴィッツと同寸のホイールベース上に構築されたボディだが、そのスタイリングにおけるハイライトは、グッと張り出したホイールアーチと、回り込むような曲面ガラスを採用したリア周辺の造形であろう。
 とくに、トヨタのデザイン・スタッフが、「生産コストが確実にアップするので、この手の価格帯のクルマに使われる例はほとんどないでしょう」というリア曲面ガラスからも分かるように、イストはやはり“デザイン命”のスペシャルティカーということである。


トヨタ イスト インテリアもデザインと質感を重視した仕上がりで、拡大された全高や全長、また、大幅に前進したAピラーによって生まれた余裕は、実質的なスペースの確保だけでなく、伸びやかなインテリアをも演出している。トランク容量と室内空間は“女性2人が1泊旅行できる程度”に割り切られ、その代わりに立体的なダッシュボードや豊富な小物のスペースに還元されている。実際、リアシートのバックレストは立ち気味で、“大人の男性4人による長距離移動”はお薦めできない。
 デザイン上で最も目を引くオーバーフェンダーによって、イストの全幅は5ナンバー枠いっぱいの1695mmまで拡大されている。 全長はヴィッツより少し長いだけで、このショート&ワイドな ディメンションが視覚的にも ハッキリと分かる。 このような縦横比のクルマは特に国産車では珍しく、イストがコンパクトサイズでありながら、安っぽく見えないのはこのディメンションによるところが大きい。このクルマを見て、「どことなくヨーロッパ車っぽいなあ」と感じるのは、筆者だけだろうか? もっとも、現時点ではイストを輸出する予定はないそうだが・・・・・・。
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走りはまさに“都会はスペシャルティ”
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 イストは昨年秋の東京モーターショーで参考出品された。もともと“若い女性のファーストカー”というピンポイントの狙いで開発されたモデルだったが、ショーの会場では男性にも人気バクハツ。それを受けて、走りのチューニングを当初の狙いよりスポーティに振ったという。剛性感のあるボディとあいまって、イストの走りっぷりは確かに引き締まり、スポーティなもの。1.3リッター、1.5リッターを問わず、ヴィッツRSに近いテイストを持つ。個人的には低速での突き上げをもう少し抑えたほうが、本来の“都会派スペシャルティ”というコンセプトには合っているような気もするが、なかなか楽しめるハンドリングではある。

 15インチの大径タイヤは、乗り味やハンドリングの向上にも寄与しているが、ひとつだけデメリットがある。それは小回り性能である。スペック上の最小回転半径は5.3mと、4.3mのヴィッツはもちろんのこと、5.1mのファンカーゴよりもさらに大きい。トヨタのエンジニアは、「実際のウォールtoウォールではファンカーゴと同等」というが、このサイズからイメージするより、「アレッ!?」と思うくらい小回りが効かないのは事実。片側2車線(合計4車線)道路でのUターンでも、油断すると切り返しが必要になるケースもありそうだ。ボディの構造上で技術的に難しいのは承知でいうが、とくに女性がメインターゲットのクルマであるのだから、やはり小回り性は絶対に妥協すべきではないと感じた。

トヨタ イスト “上質感の追求”ということで、イストは静粛性にも配慮されている。具体的には従来の“ノイズを遮る”から“ノイズを吸収する”という発想に転換。各部にこれまでの遮音材のかわりに“吸音材”ともいえるマテリアル(ウィンダムにも使われているもの)を採用しているのだそうだ。事実、走行中のイストはヴィッツよりも明らかに静かで、引き締まった乗り味とともに、ヴィッツとは違うクルマと思わせることに成功している。 もっとも、ヴィッツもマイナーチェンジで同じような改良が施される可能性も高いから、この静かさは“ヴィッツのデビューから3年分のアップグレード”といえなくもない。ただ、イストはさすが最後発モデルであるだけに、その乗り味や品質感はヴィッツ兄弟のなかでも圧倒的に高レベルだといえるが・・・・・・。



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