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トヨタ ランドクルーザー100&シグナス
取材協力 :トヨタ自動車株式会社
※それぞれの写真をクリックすると拡大表示します

緊急試乗レポート トヨタ ランドクルーザー100&シグナス
トヨタ ランドクルーザー100&シグナス
マイナーチェンジ
(2002年8月5日発表)
 
レポート 佐野 弘宗
写真 中野 英幸
トヨタ ランドクルーザー100&シグナス クルマ総合カタログ
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プロフィール
 トヨタの、いや日本の“キング・オブSUV”といえるランドクルーザー100/シグナスがマイナーチェンジを受けた。少し以前から“クルマ盗難被害の主役”というありがたくない話題もちょうだいしたランクルだが、裏を返せば、いわゆるランクルは世界的(盗難車の多くは闇ルートで海外に輸出されるという)にもそれだけの価値が認められているということであり、実際にランクルは北米が中心のセルシオすら足元にも及ばない“世界で最も有名、かつプレステージ性の高いトヨタ車”ということもできるだろう。

 今回のマイナーチェンジでは、新たにトランスミッションを5ATの5スーパーECTにしたほか、ホンダS2000に続いてトヨタとしては初の可変レシオステアリング(VGRS)を新採用 (上級グレードに標準装備またはオプション設定)、
トヨタ ランドクルーザー100&シグナス
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そして これもトヨタ初の“ナイトビュー” をオプションで用意、そして100ワゴンとシグナスに搭載される4.7リッターV8はギリギリのタイミングで現行の平成12年排ガス規制をクリア、また100バンの4.2リッター直噴ディーゼルは平成15年規制を先行クリアするとともに低速トルクと燃費もアップしたという。

 もちろん内外装デザインや装備のレベルアップも行われ、フロント周りの高級感が増したほか、ボディカラーにも新色を用意、インテリアもステアリングオーディオスイッチの追加やセンタークラスター、照明まわりを中心に高級感をアップ、さらにシグナスにはセルシオ/ソアラに続いてマークレビンソン社製のオーディオ(DVDチェンジャーもあり)をオプションで用意し、まさしく“セルシオ&クラウンマジェスタのSUV版”に相応しいアップデートを受けている。また最も気になる(?)盗難防止アイテムも、従来のイモビライザーに加えて、正規のキー以外でのロック解除をホーンやハザードで警告するオートアラームが追加された。



暗闇のドライブが楽しくなる!?

トヨタ ランドクルーザー100&シグナス  今回シグナスにオプション設定された“ナイトビュー”は、夜間に前方へ近赤外線を投光、それを近赤外線カメラで撮影した映像をフロントウィンドーのヘッドアップディスプレイに投影する…というもので、この種の夜間視界サポート装置としてはキヤデラック“ナイトビジョン”に続いて市販車としては世界で2番目のハイテクだ。ただしキヤデラック版が軍事技術の赤外線暗視カメラを活用して“周囲より温度の高い物体=恒温生物”のみを投影するのに対して、トヨタのナイトビューは前方の道路をはじめとして映る景色すべてが明るく視認できるのが特徴だ。

 前方の道路や生物以外の障害物を投影できない(しない)キヤデラック版はナイトビジョン画面のみでドライブすることは不可能だが、トヨタのナイトビューでは(肉眼よりカメラの視野が狭いという問題はあるにしても)カメラ画像のみを頼りにドライブすることは“物理的には可能”である。もちろん安全性の問題でトヨタ版もウィンドーの片隅に投影するだけの、あくまで“夜間の見えにくい部分の補助装置”ではある。聞けばこのナイトビュー、キヤデラックのナイトビジョンがアメリカでかなり好評であることを受けて、アメリカ市場向けのシグナス(現地名レクサスLX470)にも日本と同時設定するらしい。アメリカの高級車マーケットでこの種の夜間視界サポートが急速に浸透する可能性はある。

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荘厳な走りはまさに味がある
トヨタ ランドクルーザー100&シグナス
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 その巨大なボディ、2.5トンという超ヘビーな重量、荘厳な味わいの4.7リッターV8、まさしくセルシオなみの高級かつ快適なインテリア空間…と、まさしく“魔法のジュータン”のごときランクル100系の乗り味は、センチュリーを別格とすれば、数あるトヨタ車のなかでも最も特別な体験であり、その重みや優雅さではセルシオをも圧倒する。少なくともドライブフィールでは、レンジローバーやメルセデスGクラス(Mクラスではない)にも負けない存在感を持っている。100バンのディーゼル車ではV8と比較すると少々エンジン音が目立ち、もちろんオンロードでのパワーは少し落ちるが、それでも他社のガソリンSUVの平均値よりずっと静かでパワフルだ。

 今回は新しいVGRS搭載モデルに試乗したが、この初採用のハイテクもトヨタらしく完成度が高い。低速ではステアリングレシオがクイックになって取り回しが楽になるだけでなく、高速域では逆にスローになって高速道のレーンチェンジなどでの安定感を増すという。この種の巨大で重量級、しかも重心の高いSUVでは、慣れないと高速域でステアリングを切りすぎてフラつくケースが少なくない。実際、今回の試乗でにわかドライバーの筆者がレーンチェンジや高速コーナリングに挑戦しても、よぶんな挙動はいっさい見せずにステアリング操作が気持ちよくピタリと決まり、ランクルの荘厳な乗り味にマッチしていた。“人車一体感”が重視されるスポーツカーのS2000では正直いって賛否両論だった可変レシオステアリングだが、この種のヘビー級SUVにはまさしくベストマッチで、
トヨタ ランドクルーザー100&シグナス
今後は不可欠なアイテムになると思う。

 “エコロジー”が叫ばれ、乗用車ベースのライトSUVが急増しつつある今となっては、ランクル100のような重厚長大なSUVはどんどん特殊な世界になっていくのは仕方がないところだ。しかし、改めてこの重みのある豊かな世界、圧倒的な高級感に接すると、レンジローバー、メルセデスGクラス、そしてこのランクル100の3大ブランドはこれからも存在し続けると言わざるを得ない。人間とは贅沢なものだ。


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