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スバル レガシィ S401STi
取材協力 :スバル テクニカ インターナショナル株式会社
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緊急試乗レポート スバル レガシィ S401STi
スバル レガシィ S401STi

 
レポート 佐野 弘宗
写真 中野 英幸
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スバル レガシィ S401STi プロフィール
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 STi(スバル テクニカ インターナショナル)は、インプレッサによるWRC(世界ラリー選手権)活動、そしてインプレッサを駆るモータースポーツユーザーのための開発とサポートなどを事業内容とするスバルの子会社である。STiを率いる現社長の桂田勝氏は、かつて初代レガシィ開発のリーダーシップを執り、また現在は富士重工で乗用車開発の全般に目を光らせる、知る人ぞ知る“Mr.スバル”といえる人物だ。

 そのSTiの名を冠した市販モデルといえば一連のインプレッサSTiバージョンが有名だが、この11月12日から400台限定で発売されたレガシィS401 STiバージョンはいわば、“究極のストリート・スポーツセダン”を追求したモデルである。レガシィB4 RSKをベースに、エンジンは大型インタークーラーエアインテーク、エアダクトホース、低排圧スポーツ触媒などを装備。さらにECUのチューニングなどで293PS/35.0kgmへと性能アップさせている。またブレーキがブレンボ製キャリパー+ステンメッシュホースに、そしてフットワーク関連でもBBS鍛造18インチホイールに10mmローダウンの強化スプリング(ショック減衰力はあえてノーマルのまま)、フロントクロスメンバー補強、エンジンマウント強化(液封→中実タイプ)、専用チューンのスタビライザーやピロボールブッシュ式のリアサスペンションなど多岐にわたるモディファイが施されている。

 もちろん内外装にも手が加えられている。エクステリアでは専用のフロントバンパー、フロントグリルを装備し、インテリアでは本革+エクセーヌの専用シート表皮、240km/hまで刻まれるメーター、アルミスポーツメダル、スナップオン社製車載ツール(!)といったところが目玉だ。また、ボディカラーには特別色のWRブルーマイカ、専用色のグレーオパール、そしてノーマルにも設定されるブラックトパーズ・マイカの3色を用意する。


バラツキ“ゼロ”へのこだわり
スバル レガシィ S401STi
 と、この辺までは、極端にいえば、最近のメーカー直系チューニングカーではよく見られる程度のもの。しかし、そんな中でも「さすがSTi、執念が違う!」と思わせるのが次の3つのポイントだ。
 まずトランスミッション。B4 RSKの5段MTに対して、なんと6段化された。これはもちろんインプレッサ用のギアボックスを移植したものだが、数百台程度の限定モデルでこうした大掛かりなコンポーネントを変更するケースは非常にめずらしい。そしてもうひとつがタイヤ。このレガシィS401のタイヤ銘柄はピレリ社製の“P-ZERO NERO”だが、実はこのタイヤ、WRCにおけるピレリとスバルとの緊密な協力関係を生かしてS401専用のチューニングで仕上げられているという。量産モデルの標準タイヤではほとんどのケースで専用チューンされているのは事実だが、これもまた400台限定という台数から考えると異例中の異例のケースということができるだろう。

 そして最後が、実はレガシィS401のドライブフィールに最も大きな影響を与えているポイントである。それは、エンジンの“バランシング”である。まずはピストン、コンロッドを膨大なパーツの中からバラツキの少ないものを手作業でピックアップ。クランクシャフトとフライホイールは標準エンジン用にバランス取りされたものを熟練した職人によってもう一度高精度にチェックされ、必要とあればさらにバランス取り作業を行う。こうして非常に高精度にバランシングされたパーツが、富士重工のエンジン生産ラインでS401専用エンジンとして組み立てられるという。これは職人レベルのチューニングとメーカー直系ブランドならではのノウハウが融合した、高度でこだわりぬいた生産方式である。
スバル レガシィ S401STi
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スペックよりも“実”を採った
スバル レガシィ S401STi
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 こうして完成したS401の乗り味は「レガシィB4のフットワーク精度を2〜3割アップさせた」という印象だ。この種のチューニングモデルにありがちなサーキット専用としか思えない“超ハードセッティング”でないところは「ニュルブルクリンクで気持ちよく走れるクルマ」、「ターゲットはBMW M3」というS401の開発コンセプトによるものだ。もともと超高速クルージングでこそ真価を発揮したレガシィB4に、ワインディングでの針の穴を通すような高精度のフットワークをプラスした……と表現すればいいだろうか。公道走行であり得るシチュエーションのすべてで、本当に気持ちのいい味わいである。

 エンジンもスペックからすればごくわずかなパワーアップでしかないが、スムーズでストレスフリーの吹け上がり、全域にわたる落ち込みの少ないトルクフィール、そしてスカッと抜けたサウンドが非常に心地いい。つまりはレガシィB4 RSKがもともと持っている美点を何ひとつ損なうことなく、それを全方位でレベルアップさせているわけだ。
 十数馬力のパワーアップ、
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高品質・高機能ながらもごく控えめな 内外装の仕上げとして考えると、ノーマルのRSK比で170万円増しとなる435万円とは、非常に高価に思えるかもしれない。ただし、その内容をひとつひとつ吟味すれば「ああなるほど」と思えてくるのも事実。これ見よがしの演出をあえてしないところが“STiのこだわり、桂田イズム”ということか。400台の受注生産のカタチを採るレガシィS401 STiバージョン、残り台数も僅からしいので、欲しい方はカービューで見積りを取るか、この週末にでもディーラーを訪ねたほうがいい。
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