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ホンダ モビリオ
取材協力 :本田技研工業株式会社(2002年1月10日取材)

緊急試乗レポート ホンダ モビリオ

ホンダ モビリオ
ニューモデル
(2001年12月21日発表)
 
レポート 岡崎 五朗
写真 中野 英幸
ホンダ モビリオ クルマ総合カタログ
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ホンダ モビリオ プロフィール
 ホンダのミニバンは、もはや"ブランド商品"の域に達しているという意見がある。「ホンダのミニバンはカッコいい」「ホンダのミニバンなら安心して乗れる」「ホンダのミニバンは使い勝手がいい」などなど。『ミニバン=ホンダ』というイメージが出来上がりつつあるのは間違いない事実だろう。ある国産メーカーなどは、ホンダ製ミニバンの持つブランド力を金額に換算するといくらになるか? というリサーチまでやっているという。
 そんななか、ホンダ製3列ミニバンとしては5番目のモデルが登場した。フィットのプラットフォームを使い、コンパクトに仕上げたモビリオだ。4055mmという全長は、3列シートミニバンとしては世界一の短さ。「ちょっと待った。トヨタ・スパーキー(ダイハツ・アトレー7のOEM車)の方が30センチも短いぞ!」という反論があるかもしれないが、スパーキーはあくまで軽自動車の発展型。それも主に商用車として使われることの多いミニキャブワゴンがベースであり、走りも快適性もルックスもモビリオとはレベルがぜんぜん違う。つまりは例外的な存在だ。そう考えると、ディフェンディング・チャンピオンだった全長4240mmのスパシオを抜き、モビリオが"世界一短い3列シート車"の座に着いたと考えるのは、ごく自然なことではないだろうか。
ホンダ モビリオ ホンダ モビリオ ホンダ モビリオ

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快適性ではステップワゴンを凌ぐ!?
 外観でもっとも目を引くのは、サイドウインドウの大きさだ。フロントはドア上端部をブラックアウトしているものの、リアのサイドウインドウ面積は間違いなくリアドアよりも大きい。こんなスタイルのクルマは、世界広しとはいえ、フィアット・ムルティプラ(日本には正規輸入されていない)とモビリオぐらいだろう。加えて、全長の68%! を占める超ロングホイールベースとスクエアなボディ形状もユニークだ。保守的な価値観を持っている人はオーソドクスなスパシオにシンパシーを感じるだろうが、ユニークなルックスを楽しめるような遊び心の持ち主なら、モビリオに一票を投じるのではないだろうか。

ホンダ モビリオ
ホンダ モビリオ
 室内は驚きの広さだ。とても全長4m級のクルマとは思えない。なにしろ身長165cmレベルの人間がそれぞれ1/2/3列目に座っても、膝もとには僅かながらも隙間が残っているのだ。このパッケージングはお世辞じゃなくスゴイ! サードシートの乗員はかなりアップライトな姿勢になるが、それでもスパシオのサードシートと比べたらまるで天国だ。もちろん、サードシートに人が乗っていないときは、セカンドシートを後方いっぱいにスライドさせることによって、足下をさらに広くすることも可能。座り心地のいいシートと相まって、この時の快適性はステップワゴンを凌ぐ。
 さすがに3列乗車時のラゲッジスペースは小さいが、2−3−1の6人乗車なら片方のサードシートを畳むことによってスーツケースのような大きな荷物も楽に収納可能。その他にも、26インチのマウンテンバイク(タイヤを外す必要なし)や最大2.6mの長尺モノ収納など、使い勝手の可能性は無限に拡がっている。いやはや、とんでもないコンパクトカーが登場したものである。


1.5リッター+CVTで不満のない走り
 エンジンは、1シリンダーに2本のスパークプラグを配することで燃焼効率を究極まで高めた"i−DSI"ユニット。基本メカニズムはフィットと同じだが、重量増加をカバーするために排気量を1.3リッターから1.5リッターに拡大している。組み合わせるミッションは無段階変速機のCVTだ。少なくとも、1人乗車時の動力性能に不足はない。また、カメラマンと編集スタッフを加えた3人乗車も試してみたがこれも問題なし。街中の流れに乗る程度なら、アクセルペダルの踏み代には常に余裕が残っている。問題は7人フル乗車でのハイウェイ走行だが、ホンダによると、「きつい登り勾配でも100km/hキープは可能」とのこと。余裕たっぷりというわけにはいかないが、大型トラックにビュンビュン抜かれて怖い思いをすることはなさそうだ。

 ハンドリングは基本的に安定志向。フィットと比べると身のこなしに鋭さはないが、ミニバンなのだからそれでいい。フィットで気になった乗り心地の硬さも、若干だが好転しているなという印象を受けた。ただし、電動パワーステアリング特有のゴムをねじるような違和感のあるステアリング・フィールには、最後まで馴染めなかった。燃費や重量を考えると、電動パワーステアリングにもそれなりのメリットはあるのだが、個人的には、「ステアリングフィール面のデメリットを帳消しにするほどのメリットはない」と判断する。といっても、同様の問題を抱えるフィットの場合、ユーザーからの苦情は出ていないという。ということは、僕がコダワリ過ぎなのか? そうかもしれない。ただし、欧州製ハッチバックカーに一度でも乗ったことがある人(少数派だが)はきっと同じ印象を受けるだろう。このあたりが改善されれば、モビリオの魅力度はもっともっと向上するはずだ。

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