自動車のことならcarview

ニッサン プレサージュ
取材協力 :日産自動車株式会社(2001年9月12日取材)

緊急試乗レポート ニッサン プレサージュ

ニッサン プレサージュ
マイナーチェンジ
(2001年8月29日発表)
 
レポート 佐野 弘宗
写真 中野 英幸
ニッサン プレサージュ クルマ総合カタログ
ニッサン プレサージュ 新車 見積もり

 日産のプレサージュ/バサラが、デビュー以来、初めてのマイナーチェンジを受けた。プレサージュといえば、98年6月にホンダ・オデッセイに真っ向から勝負できる唯一のラージ・ミニバン(この表現もちょっと変だが)として誕生したが、その後、マツダからはMPVの2代目が、トヨタからはエスティマの2代目がという具合に、オデッセイ人気を脅かすモデルが続々と登場。それに応戦するかたちで、横綱オデッセイも2代目へと進化したが、さらに今年は、トヨタのイプサムまでもがグレードアップ。その結果、プレサージュはいつの間にかクラスでも最古参となってしまった。
 このクラスのミニバンは、かつてのマークIIやローレルのような"みんなが憧れるちょっといいクルマ"的存在であり、国内シェアの奪回をもくろむ日産として絶対に無視できないのが、この市場なのである。

 さて、そのマイナーチェンジ内容だが、注目すべきは、売れ筋の4気筒エンジンが従来の2.4リッターKA型から最新設計の2.5リッターQR型に切り替わったことと、日産RVの定番"ハイウェイスター"グレードが追加されたことだ。ちなみにQR型エンジンは、すでにプリメーラが搭載しているものと基本的に共通だが、もちろん専用のチューニングが施されている。また、それに合わせてディーゼルエンジンが廃止され、2.5リッターの4気筒と3リッターのV6という、オデッセイやエスティマと同格のエンジン・ラインナップとなった。
 また、プレサージュの外観は、グリルやバンパー、ヘッドランプ、テールランプ、ホイール、そして、内装では主にカラーアレンジが変更になり、押し出しと広々感がさらに強調されている。しかも、最新の6.5インチ・モニターDVDナビやセンターテーブル、軽量高効率の新世代のスタンバイ式オートコントロール4WDなどが用意されるなど、様々な新機能を有している。ちなみに、後発のバサラについては大きな変更がなく、ホイールとメカニズム関連のみに手が加えられている。


 今回は、新エンジン"2.5リッター4気筒"を積むプレサージュのみの試乗となったが、そもそもプレサージュ/バサラの販売において全体の約60%〜70%を4気筒ガソリンエンジン車が占めていたというから、新型プレサージュ/バサラの完成度を探るための車両としては、むしろ申し分なし。
 2.5リッターという排気量は、ライバルのオデッセイ(2.3リッター)やエスティマ(2.4リッター)のそれと比べて最も大きく、また、その排気量に見合った実用トルクが売りとなっている。ただ、そのパワーユニットで重量級ボディを引っ張るとなると、さすがに"速い"とはいえないが、まあ、"ミニバンでスカイラインをブチ抜けなければ満足できない"という特異体質でない限り、もちろん実用上はまったく問題ない。

 それより、日産QR型の最大の魅力として特筆すべきは、そのスムーズな感触だろう。バランスシャフトと連続可変バルブタイミング機構"CVTC"を得たQR型は、それこそレブリミットまで滑らかに、かつ静かに吹け上がる。しかも、最新世代ユニットらしくトルク特性はフラットで、とくに可変吸気システムが切り替わる5000rpm付近からはさらに気持ちがいい。
 重量級ボディと2.5リッターエンジンの組み合わせでは、どうしても高回転まで引っ張るケースが増えてしまうが、これだけ回転が滑らかであれば、高回転を維持して走るのはまったく苦にならないどころか、逆に快感を味わうことができる。これは、プリメーラを試乗した際にも感じたことだが、このQR型は現時点で世界的に見ても"最も出来のいい4気筒エンジン"といえるのではないだろうか。

ニッサン プレサージュ ニッサン プレサージュ ニッサン プレサージュ

それぞれの写真をクリックすると拡大表示します


 進化のスピードが速いこのクラスにあって、デビューからすでに3年以上が経過したプレサージュ/バサラのボディ内外に、いささか古めかしさを感じるのは仕方のないところだろう。たとえば、フロアが高いためにインテリア高が不足気味で、足を前へ投げ出すような運転姿勢となってしまうこと、そして、サードシートの収納方法が、最新のライバルたちにやや遅れをとってしまったことなど……。 走りに関わる部分では、エンジン以外にサスペンションなどに変更はないというが、QR型エンジンは単体で従来のKA型よりも数十s軽くなっているというから、その分、ハナ先の軽さが感じられる。もっとも、オデッセイほどスポーツライクでも、エスティマほど高速安定型でもなく、また、イプサムほどヨーロッパ風でもない。いい意味でも悪い意味でも、ほどほどに中庸な味わいは健在である。

 新しく追加されたハイウェイスターは、他グレードよりも足まわりが20mmほどローダウンとなっている。これはスプリングをショート化しただけで、バネレートやタイヤは共通という"お手軽仕様"だが、これが実際の走りに少なからず影響を及ぼしていたのはちょっとした驚きだった。
 ひと言でいうと、少し引き締まった乗り心地もステアリングの手応えも、ハイウェイスターの方がノーマルモデルよりも明らかに好印象。高級ミニバンとしては、むしろハイウェイスターの設定の方が好ましいのでは? と感じた次第だ。確かに、首都高速のように強烈な目地段差や工事中の凸凹のある道路では、ノーマルのほうが快適かもしれないが、自分でステアリングを握るつもりなら、ハイウェイスターの走り味の方がお薦めといえる。エクステリアについても、以前のそれより控えめになっているから、さりげなく乗ることが可能なのである。

ニッサン プレサージュ ニッサン プレサージュ ニッサン プレサージュ

それぞれの写真をクリックすると拡大表示します