
取材協力 :スズキ株式会社 (2002年6月20日取材)
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マイナーチェンジ
(2002年6月14日発表)
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スズキのトールワゴン“ワゴンRソリオ”が一部改良を受けた。外観上ではドアミラーのデザイン変更、1.3リッター車のリア・コンビネーション・ランプの変更、最上級グレード“1.3SWT”のディスチャージ・ヘッドランプ採用といった程度だが、インテリアについてはかなり大幅な変更が施されている。
まずは、インスツルメント・パネルが一新したこと。オーディオ・スペースを最上段に移動させ(操作性の向上とナビゲーションとのマッチングを考えて)、最近のトレンドに沿ったデザインが採り入れられたほか、インパネ上部がシャンパンゴールド(1.3SWTはシルバー)に塗装変更。加えて、ステアリングホイールの変更やセミバケット形状ベンチシートの採用(全車の前席)、収納スペース&カップホルダーの見直し、半ドア警告灯の追加、エアコンにカテキン混入フィルター(タバコの臭いに効果あり)の採用といったことが実施されている。
しかし、数ある変更点のなかでも、今回の一部改良で最も実質的なのは、105mmというスライド幅を持つスライド・リアシートの採用だろう。これはスズキの最新軽である、MRワゴンに続いて採用されたシステム。しかも、スライド機構に加えてバックレストがワンタッチ可倒&リクライニングするといった、なかなかの優れものシートである。 |
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スズキのエンジニアによると、従来のワゴンRソリオでは、リアシートのヒップポイントはスライド領域の前端から30mmの位置にあったという。ということは、リアシートを最後端の位置までスライドさせれば、レッグスペースは単純計算で、これまでより75mm延長されたことになる(そのぶんトランクは狭くなるが)。ソリオ級のミニバン、もしくはハイトワゴンというと、ほかにはトヨタのファンカーゴやbB、ニッサンのキューブ、ホンダのモビリオ、ミツビシのディンゴ、ダイハツのYRVなどを上げることができるが、そのなかにあって、ソリオの後席居住性はトップクラス。
ファンカーゴはその名のとおり荷室優先の感があるし、bBはシート自体が少しばかり平板。キューブは明らかに狭く、また、モビリオは“7人乗り”というアドバンテージを持つ反面、セカンドシートを犠牲にした印象があるからだ。
“大人4人〜5人が快適に過ごせる空間”ということであれば、ワゴンRソリオ、ディンゴ、YRVがその有力候補になるだろう。さらに、ワゴンRソリオは自慢のベンチシートの採用で、リッター・カーながらフロントシートの心理的・体感的余裕が大きく、前後とも柔らかなタッチのシート自体、なかなかの仕上がりといえるのである。
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今回の取材で試乗できたのは、シリーズに新設定されたお買い得仕様の“1.3WELL”のみ。1.3リッター・エンジンを搭載するFF車(4速AT)をベースに、専用バンパーやフロントグリル、さらにはメッキのフチ取りが施された上下2灯式ヘッドランプ、14インチ・アルミホイール、CDチューナー(1DIN)、オーバーヘッドコンソール(サングラス用)が与えられ、車両本体価格113万円を実現したとするモデルだ。
どことなく同じグループ、アメリカGMのミニバンを思わせる顔つきが、高級感を大幅に向上させているのは確か。ただ、今回の一部改良におけるメカニズム面での変更点は、燃費の向上策として最終減速比が高められたこと、国土交通省の「☆☆優−低排出ガス認定」を取得(1.3リッターの4WDは除く)したことのみで、エンジン本体やシャシーには手を加えていないという。
ワゴンRソリオをフィットやヴィッツ、マーチも含めたリッター・カーのライバルたちと比較してみると、正直にいって走りや乗り心地で突出した部分を感じることはない。しかし、だかといって明らかに劣るところもない。1.3リッター・エンジンは、スロットルペダルを床まで踏み込めばそれなりにうるさいが、高回転域までストレスなく回り、しかも、嫌味なノイズをまったく感じさせないところは、スズキ・エンジンの伝統的美点といっていい。
フットワークも、全高1.7mのミニバンとしては非常にバランスよくまとまっており、重心の高さから来る不安感やそれを防ぐためのハードな乗り心地に辟易することはない。やはり、ソリオよりも全幅が狭く、セッティングが難しい軽ミニバンを手掛けてきたことによる豊富なノウハウと、ヨーロッパ市場を意識した設計の賜物であろう。ご存知かもしれないが、ワゴンRソリオはヨーロッパでも売られるほか、車両をオペルにも供給。オペル・ブランドでは“アギーラ”の名で販売されているのである。
軽自動車の“横綱”である、弟分のワゴンRの影に隠れがちなソリオだが、「フィットやヴィッツ、マーチも悪くないけど、やっぱり背の高いクルマがいい」そんな向きにはお薦めの1台。クルマのトータル性能においては、前述したライバルたちと十分に渡り合える資質を備えているのは事実だ。
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