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ボルボ S60
取材協力 :ボルボ・カーズ・ジャパン(2001年1月31日取材)

緊急試乗レポート ボルボ S60

ボルボ S60
ニューモデル
(2001年1月19日発表)
 
レポート 萩原 秀輝
写真 中野 英幸
ボルボ S60
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 ボルボは、1998年にデビューしたラグジュアリーサルーンのS80以来、開発テーマとして"VOLVO FOR LIFE"を掲げてきた。人間優先哲学に基づくこの開発テーマには、人と環境を守るプロテクトライフ、楽しいライフステージを創造するエンジョイライフ、人生最良のパートナーであり続けるロングライフという、3つの"LIFE"の意味が込められているとのこと。そうした人間優先哲学を背景とし、ボルボが最も得意とするエステートのV70、オフロードの走破性を考慮したクロスカントリーをたて続けに投入。そして、2000年にミドルクラスのサルーンであるS60がデビュー。その直後に開催された国際自動車ショーのパリ・サロンでは、300馬力を発揮する超高性能エンジンを搭載したプロトタイプが公開され、S60の位置づけがいよいよ明らかになったのだ。

 ボルボ自ら、S60を"The 4-door Sports Coupe"と呼ぶ。S60は新しいスポーツサルーンの在り方を全身で示し、快適性を融合させつつもエキサイティングな走りの歓びが実感できるクルマだという。まさに、エンジョイライフ。もちろん、安全と環境に対する配慮や優れた耐久性を獲得するといった、残りふたつの"LIFE"もS60には見事に投影されている。もはやボルボには、保守的な人が乗るクルマというイメージはない。現代的かつ活動的な人が乗るクルマ。それがボルボであり、S60でもあるということだ。

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 垂直なグリルやそこに端を発するVシェイプのボンネット、そして、ショルダーラインを強調したキャットウォークと称されるラウンドフォルムなど、S60のエクステリア・デザインにはボルボの伝統が明確に反映されている。にも関わらず、新鮮で個性が強く官能的でさえある。そうした伝統と先進性の調和は、スウェディッシュ・デザインの成せる技といえよう。しかも"The 4-door Sports Coupe"と呼ぶだけあって、いかにもエキサイティングな走りをしそうである。その理由は、前後のピラーを極端に寝かせてスマートに見せているからだけではない。4575mmというコンパクトなボディ全長に対して、1815mmという超ワイドな全幅が効果をもたらしている。実際に、S60が見せるボディ全長と全幅のバランスは、2シーターのスーパースポーツカーに近いという。

 一方、インテリア・デザインは機能的であり実用的だ。ひと目で視認できて操作性も高い、大きなスイッチ類がデザインの在り方を象徴している。それでいて、機能が際立ちすぎて無機質な冷たさを感じさせるようなことはなく、むしろ乗る人を優しく迎え入れてくれるような雰囲気があるのは、スウェディッシュ・デザインなればこそ。なおかつ、全長に対してもホイールベースが2715mmと長いため、大人4人が十分にくつろぐことのできる室内スペースを確保している。

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 日本導入モデルが積むエンジンには、170馬力を発揮する2.4リッター、200馬力を発揮する2.4リッターのライトプレッシャーターボ、250馬力を発揮する2.3リッターのハイプレッシャーターボの3タイプが揃う。いずれも直列5気筒の20バルブDOHCで、すべてに5速ATが組み合わされる。 そのうち、200馬力仕様車と250馬力エンジンを積むT-5に試乗したところ、6000rpmまで一気に達する鋭い吹け上がりと中・高回転域での力強さを実感。とくに、T-5は5速ATをマニュアルモードに切り替えて2速と3速を使い分けながら走ると、スポーツカー並みの刺激が味わえる。とはいえ、2.4Tでも十分にスポーティ。3000rpm以上を保っていれば、コーナーの立ち上がりでアクセルを踏んだ瞬間、力強さを体感できるといった応答性のよさも備えている。

ただし、両モデルともに3000回転以下は応答性が穏やか。日常的に使う機会が多い回転域となるだけに、試乗直後はその穏やかさが物足りなさに結び付いた。だが、あえて応答性を穏やかにしていることに気付くまで、そう長い時間を必要としなかったのは確か。2.4TとT-5は30kg-m前後の大トルクを低回転で発揮するだけに、応答性を鋭くしすぎるとギクシャク感を誘発することになり、走りの質感を損なってしまうからだ。

 つまり、S60の味付けはあくまでもスポーティでありながら、走りの質感が高いということ。それを実現した最大の要因は、ボディ剛性の高さである。ボディがしっかりとしているために、サスペンションがエンジニアの意図した通りに動き、正確なハンドリングと高いスタビリティを獲得。しかも、サスペンションで吸収できないような衝撃を強靱なボディが抑え込んでくれるから、スプリングやダンパーが引き締められていても乗り心地は快適だ。高剛性ボディは、振動や騒音を遮断する効果もあるだけに、ますます走りの動的質感が高くなるわけである。

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