
取材協力 :ダイムラー・クライスラー日本株式会社
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ニューモデル
(2002年7月29日発表)
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つくづく人間とは“欲求”な生き物だと思う。それがいかに贅沢で高性能なクルマであったとしても、「もっと贅沢に…」「もっと高性能に…」という要求を突きつけてくる人は必ずいる。だから、そんな人たちに向けた特別なクルマがもいつの世にも存在するのだ。
AMGとはそんな人たちのために存在するブランドだ。“現存する最高のクルマを素材にして最高の車を作る”という社是のもと、67年の創業以来、AMG社は業績を伸ばしてきた。創業者の一人であるアウフレヒトは、ダイムラー・ベンツの実験部門出身。独立後は最高の素材=メルセデスをベースにして、自らの理想とするクルマ作りを始めた。当初は一介のチューニングショップにすぎなかったAMGだが、その高い技術力はサーキットでいかんなく発揮され、モータースポーツ部門のパートナーシップを経て、91年にはついに市販車の分野でもメルセデスと対等な関係を結んだ。その年のフランクフルト・モーターショー以来、メルセデスとAMGメルセデスは肩を並べて展示されるようになったのである。
そんなAMGメルセデスが送り出すラインナップの頂点に立つ1台が、今回紹介するSL55AMGだ。ところで、誰が言い始めたか、AMGを「アーマーゲー」と発音する人がいるが、日本での正式名は英語読みの「エーエムジー」。ドイツ語読みをしたとしてもアーマーゲーは誤りで、正解は「アーエムゲー」だ。
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かつてのAMGというと、近寄りがたい独特の雰囲気をもっていたものだが、最近では必要以上の威圧感を抑えたスマートなルックスを目指しているようだ。
とはいえ、内外装にはAMGのオリジナルデザインをふんだんに採り入れ、ノーマルSLとの差別性をきっちり打ち出している。たとえば外観では開口面積を増したスポイラー・一体型フロントバンパーやサイドスカート&リアスカートなど、控えめながらも効果的に迫力を醸し出すエアロパーツを装備。加えて左右に2本ずつ配したデュアルツインクロームエグゾーストエンドと美しい18インチホイールが驚異的なパフォーマンスを静かに、しかし力強くアピールする。インテリアでは、サイドサポートを大型化した専用本革シートと、メータークラスター上に貼ったアルカンタラ(人口スウェード)がトピックとなる。
圧倒的なパフォーマンスを考えると、内外装の仕上げは“控えめ”と言えるかもしれない。しかし、そのことが逆にある種のインテリジェンスを感じさせる。これが典型的な“新時代AMG”である。
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5.5リッターという排気量にインタークーラー付スーパーチャージャーを付けたV8ユニットのパワースペックは500ps/71.4kg-m! むろんこの数字はダテではない。停止状態からアクセルを深く踏み込むだけで、4.7秒後に車速は100km/hに達する。ポルシェ911ターボの4.2秒には及ばないが、フェラーリ360スパイダーの4.6秒とはほぼ同等であり、AT車としては間違いなく世界最速の0-100km/h加速だ。ちなみにSL500は6.3秒だが、それでも文句なしに速い。そう考えると、SL55AMGがいかに驚異的な動力性能の持ち主かがわかるはずだ。とにかく、走っている速度や道路の勾配などお構いなしに、アクセルを踏み込めば踏み込んだだけの加速がいつでも手に入る。特にフル加速状態では、体だけでなく、眼球にまで強烈な加速Gが伝わってくる。翼を付けたらそのまま大空へ飛び立ってしまいそうな感覚である。
当然、足周りもブレーキも強化されている。SL500の2倍のパッド面積が与えられたブレーキは2トン近い車体をまるで魔法のように減速させ、フロント255/40R18、リア285/35R18という超ファットなタイヤと固めたサスペンションの組み合わせは強烈なパワーをしっかりと路面に伝える。 それでいて乗り心地に粗さがないのも素晴らしい。SLはもともと高いボディ剛性をもっているが、AMGの手によってさらに効果的な補強対策が講じられているに違いない。また、SBC(センソトロニック・ブレーキ・コントロール)やESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)、ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)といった多くのハイテクデバイスの完成度も素晴らしいのひと言。1680万円を投資する余裕さえあれば、誰もが安心して強大なパワーを自分の支配下に置くことができる。SL55AMGは、まさに現時点における自動車工学の金字塔だ。
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