
取材協力 :ホンダ技研工業株式会社(2002年2月15日取材)
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ニューモデル
(2002年2月7日発表)
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軽自動車の販売が好調だ。新規格導入前は年間100万台程度だった軽自動車マーケットだが、新規格車が発売された1998年10月以降、なんと一気に年間140万台まで増加。ミツビシeKワゴン、ダイハツMAX、スズキMRワゴン、スズキ・アルトラパンといった最近の新車ラッシュの背景には、「ニューモデルの投入によってさらなる拡販を狙う」という各社の目論見があるのだ。そんな状況のなか、ホンダも負けじと気合いの入ったニューモデルをリリースしてきた。
ザッツの開発は、「人とクルマの関係を見直す」ことから出発したという。ここ数年、『価格の高いモノ=いいモノ』という価値観に変化が表れている。しかし、それは決してコダワリの放棄ではない。逆に、とくに若い人の間では“自分らしいモノ”“等身大のモノ”を、コダワリを持って選ぶ傾向が強まっている。ザッツのターゲット層はまさにそこ。いい換えれば、「これでいい」という消極的な気持ちで軽自動車を選ぶ人ではなく、「これがいい」という積極的な気持ちで軽自動車を選ぶ人をターゲットに据え、そんな人たちのスタイルやセンスにあった“持ちモノとしてのよさ”を素直にカタチにしていった結果、生まれたのがこのザッツなのである。
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販売価格100万円程度のクルマで、素材や造形に潤沢なコストを掛けるのはどだい不可能だ。そんな厳しい制約のなかで、無理に高級車を真似しようとすればするほど、かえって貧しさが浮き立ってしまうもの。ひと目で木目調だと判る安っぽいパネルを使った軽自動車がいい例である。その点、ザッツに高級車コンプレックスなどまったくない。木目調パネルはもちろん、クロームメッキも、革シボも追放した内外装は、“約100万円の軽自動車”で完結。それでいて安っぽさを感じさせないのは、“四角いのに丸い”という凝りに凝ったデザインの力だろう。たとえ高級車の隣に並んだとしても、「負けた」という感情が芽生えてこないのだ。この部分がザッツのいちばんの魅力だと僕は思う。
室内の広さは文句なし。たとえ、男性4人が乗り込んでも縦方向のスペースに関して窮屈な印象はない。横方向はさすがに普通車並みとはいかないが、それでも肘と肘がぶつかり合ってしまうことはない。フル乗車状態でもラゲッジスペースは十分広いし、後席を畳めば積載力は一気に倍増する。もはや、スペースの問題で軽自動車を敬遠する必要はないと感じた。ただし、サイズが小さく平板なリアシートの座り心地は悪い。ザッツの特等席はやはり前席だ。ホンダの今はなきS-MXやトヨタbBを上回るという、目の位置からフロントスクリーンまでの距離は、広々した頭上空間とあいまって軽自動車とは思えない豊かな空間感覚を提供してくれる。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1620mm。ekワゴンなどは、タワーパーキングの利用を考慮して全高を1550mmに抑えているが、ザッツの場合、乗降性を重視し、あえて1620mmを確保したという。たしかに、サイドシルの出っ張りがないフラットフロアと余裕の全高、適度なヒップポイントのコンビネーションは、素晴らしい乗降性を実現している。そもそも、自宅ガレージに収まり、なおかつタワーパーキングをほとんど利用しないのであれば、1550mmにこだわる必要はないのだから。
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ザッツのベースとなったのはライフ。プラットフォームもエンジン(NAとターボ)もミッションも共通だ。となると、気になるのが3速ATという部分。軽自動車の法定最高速度が100q/hに引き上げられたこともあって、軽自動車といえども4速ATが常識になりつつある。にも関わらず、3速ATを使い続けているのは果たしてハンディキャップになっているのだろうか。結論からいって、高速道路を使ったロングドライブをする機会が多い人にとっては、やはり4速ATが欲しいところだ。ただし、ホンダのエンジンは他社製エンジンよりも高回転まで回したときの騒音レベルが小さく、また、エンジンルーム周りなどに吸音材を多用しているため、速度を上げても室内騒音はさほど高まってこない。NAモデルだと100q/hで5000rpm以上回ってしまうのだが、タコメーターの針を見なければそうとは気付かないほどだ。高速道路での燃費面で不利な方向に作用するのは間違いないが、街中はもちろん、高速道路をゆったりと流す程度なら、3速ATでもさほど痛痒は感じないと報告しておこう。
動力性能は当然ながらターボが有利。NAだとアクセルの反応が鈍くなる登り勾配でも、ターボであればアクセルの踏み込み量にリンクした力強い加速くを得られる。NAとターボの価格差は13万5000円だが、今や必須ともいうべきABSがNAエンジン車ではオプション設定となっているため、実質的な価格差は9万5000円。街乗り中心ならNAでも十分だが、4人乗車や高速走行をする機会の多い人にはターボ仕様がお薦めだ。
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