トラヴィックの価格は標準モデルが199万円、エアロパーツや16インチアルミホイール(サスペンションも専用)、本革巻きステアリング、メタル調パネルなどが備わるSパッケージが224万円、そして、15インチアルミホイール、ヘッドランプ・ウォッシャー、サイドエアバッグ、リモコン付きステアリングといった豪華装備満載のLパッケージが234万円。ヤナセが販売しているオペル・ザフィーラの1.8リッターモデル(装備はトラヴィックのLパッケージと同等と考えていい)が289万円だから、さらにパワフルでありながら、60万円以上も安いということになる。 これは、トラヴィックが人件費の安いタイ工場製ということもあるが、それ以外に、ホンダ・ストリームやトヨタ・スパシオ、イプサムあたりの競合モデルを見据えた価格設定といえよう。スバルの担当者も、「利益は本当に少ないですよ」と苦笑するくらいだから、買う側にとっては嬉しいかぎりだ。
そういう予備知識をもたないで実際のトラヴィックに触れても、どこからどうチェックしたところでオペルそのものだし、最初に乗り込んだときの"ニオイ"も含めてザフィーラとの違いは指摘できない。しかし、たとえば配管などの細部のレイアウトや組み付け手法など、目に見えない部分には、スバルの社内基準を満たすべくわざわざ従来のザフィーラに手を入れた部分もあり、ある意味ではヨーロッパ産のザフィーラよりも品質が上がっているともいえる。 全体的な印象は、それこそステアリングやオーディオのデザイン、ウィンカーレバーの位置(輸入車のまま左側)、自慢のインフォメーションパネル表示(英語である)など、見事なまでに、各部のOPELロゴをSUBARUのそれに書き換えただけである。せっかくなら、もう少し手を入れてもいいんじゃないの、という気持ちにもなってくるが、つまりは、よくも悪くもヨーロッパ車そのものだ、ということだ。
それぞれの写真をクリックすると拡大表示します
トラヴィック専用となる2.2リッターエンジンは、ご存知の方も多いと思うが、アストラのスポーツモデルやベクトラですでに採用されているオペルの最新ユニットと、トラヴィックのボディには最も贅沢なチョイスだ。その推測どおり、トラヴィックの動力性能に文句があろうはずもない。1名〜2名乗車なら軽々とライバルを取り残せるし、おそら7人フル乗車でも、まったく不足を感じないはず。しかも滑らかな吹け上がりには、最新エンジンらしい高級感も漂っている。 スバル・ブランドとしてはどうなのか? という細かいことにこだわるより、日本人として、この欧州ベストセラーが200万円前後で手に入る時代を素直に喜んだほうがいい。国産ミニバンと冷静に比較しても、トラヴィックは間違いなく"超お買い得車"といえる。