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スバル トラヴィック
取材協力 :富士重工業株式会社(2001年9月13日取材)

緊急試乗レポート スバル トラヴィック

スバル トラヴィック
ニューモデル
(2001年8月22日発表)
 
レポート 佐野 弘宗
写真 中野 英幸
スバル トラヴィック クルマ総合カタログ
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 スバルから新しく登場した全長4.3mの7人乗りミニバン"トラヴィック"は、ご覧のとおり、すでに日本でも販売されているオペル・ザフィーラそのものである。生産についてもGMのタイ工場で行われ、そこからGMジャパンのPDIセンターに上陸。輸入や上陸後の各種作業もほかのGM、オペル車と同様にGMジャパンが行うという。つまり、トラヴックは見た目どおり、スバルのバッジをつけたザフィーラだと考えていいが、スバルの走りに対するこだわりか、トラヴックのベースには、ザフィーラとしてもこれまで日本に輸入されていない、シリーズ最強となる2.2リッターエンジン搭載車が選ばれている。
 1999年12月に、スバルはGMからの資本の受け入れも含めた業務提携を結び、今後は企業経営面のみならず、スバルがGMグループ全体の4WD開発を担当したり、また、GMの安全技術や環境技術をスバル車に活用したりと、実際のクルマ開発においても、両社は有機的なつながりを保つようになるはずだ。そんな意味からも、スバルはこのトラヴックをGMとの提携関係から生まれた商品の第一弾と位置づけている。

 トラヴィックの価格は標準モデルが199万円、エアロパーツや16インチアルミホイール(サスペンションも専用)、本革巻きステアリング、メタル調パネルなどが備わるSパッケージが224万円、そして、15インチアルミホイール、ヘッドランプ・ウォッシャー、サイドエアバッグ、リモコン付きステアリングといった豪華装備満載のLパッケージが234万円。ヤナセが販売しているオペル・ザフィーラの1.8リッターモデル(装備はトラヴィックのLパッケージと同等と考えていい)が289万円だから、さらにパワフルでありながら、60万円以上も安いということになる。
これは、トラヴィックが人件費の安いタイ工場製ということもあるが、それ以外に、ホンダ・ストリームやトヨタ・スパシオ、イプサムあたりの競合モデルを見据えた価格設定といえよう。スバルの担当者も、「利益は本当に少ないですよ」と苦笑するくらいだから、買う側にとっては嬉しいかぎりだ。


 タイ工場製でバーゲン価格、と聞くと、古臭い概念で凝り固まった人は、安かろう悪かろうと思うかもしれない。しかし、それは時代錯誤というもの。そもそもタイは"アジアのデトロイト"と呼ばれるほど、自動車工場が密集した地域であり、しかも、GMタイ工場は稼動から1年未満の最新鋭工場である。しかも、タイの労働者の水準は非常に高い、と評判。今や、メルセデス・ベンツCクラスの日本仕様車でさえ南アフリカ製という時代なのだ。したがって、どこで造られたかにこだわる意味はまったくない。さらにいえば、地元のヨーロッパで供給が追いつかないほど大人気のザフィーラは、イタリアやフランスなど一部のヨーロッパ市場へは、タイ工場から供給されているという。

 そういう予備知識をもたないで実際のトラヴィックに触れても、どこからどうチェックしたところでオペルそのものだし、最初に乗り込んだときの"ニオイ"も含めてザフィーラとの違いは指摘できない。しかし、たとえば配管などの細部のレイアウトや組み付け手法など、目に見えない部分には、スバルの社内基準を満たすべくわざわざ従来のザフィーラに手を入れた部分もあり、ある意味ではヨーロッパ産のザフィーラよりも品質が上がっているともいえる。
 全体的な印象は、それこそステアリングやオーディオのデザイン、ウィンカーレバーの位置(輸入車のまま左側)、自慢のインフォメーションパネル表示(英語である)など、見事なまでに、各部のOPELロゴをSUBARUのそれに書き換えただけである。せっかくなら、もう少し手を入れてもいいんじゃないの、という気持ちにもなってくるが、つまりは、よくも悪くもヨーロッパ車そのものだ、ということだ。

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 もともと走りには定評があり、引き締まったスポーティなテイストのザフィーラ。トラヴィックのフットワークは、そのザフィーラを踏襲したもの。15インチタイヤの標準モデルとLパッケージは、ダンパーの減衰力だけを弱めて、低速の乗り心地を向上。Sパッケージは、15インチ版欧州仕様の足に16インチタイヤの組み合わせ、といった設定になっているという。思ったよりもオペル版との違いは小さいが、もちろん、これは結果的にこうなったという意味で、さまざまな仕様をスバルのテストドライバーが吟味した結果だという。
 それゆえに、トラヴィックは走っても最新鋭ヨーロッパ車ならではの味わいを感じさせ、なんとも心地よい。しかも、最近のオペルは現代のヨーロッパ車のなかで最も伝統的な欧州風味が強いから、なおさらその感が強いのだ。いかにもネバッとして頼りがいのあるステアリングフィール、ちょっとやりすぎかな、と思えるほど、振り回してもフトコロの深いフットワークは日本車と確実に一線を画する仕上がりである。

 トラヴィック専用となる2.2リッターエンジンは、ご存知の方も多いと思うが、アストラのスポーツモデルやベクトラですでに採用されているオペルの最新ユニットと、トラヴィックのボディには最も贅沢なチョイスだ。その推測どおり、トラヴィックの動力性能に文句があろうはずもない。1名〜2名乗車なら軽々とライバルを取り残せるし、おそら7人フル乗車でも、まったく不足を感じないはず。しかも滑らかな吹け上がりには、最新エンジンらしい高級感も漂っている。
 スバル・ブランドとしてはどうなのか? という細かいことにこだわるより、日本人として、この欧州ベストセラーが200万円前後で手に入る時代を素直に喜んだほうがいい。国産ミニバンと冷静に比較しても、トラヴィックは間違いなく"超お買い得車"といえる。

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