
取材協力 :トヨタ自動車株式会社
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ニューモデル
(2002年8月20日発表)
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すでにご存知のかたも多いが、トヨタ・ヴォルツは米国カリフォルニア州にあるトヨタとGMの合弁自動車工場“NUMMI”で生産され、米国では“ポンテアック・ヴァイブ”という名でGMが販売するクルマである。
つまり、トヨタのプロナード、そしてホンダ・ラグレイトと同じく日本ブランドの輸入車だ。 米国ではこれまでもカローラにGMのバッジをつけて販売したりもしていたが、企画段階からGMとトヨタの共同プロジェクトとして開発されたのはこのヴォルツ/ヴァイブが初だそうである。
日本向けのヴォルツと米国向けポンテアック版とのデザインの差はほとんどなく、とくに外観はグリルデザインもまったく共通、基本的には前後に備わるバッジのみの違いらしい。
そういえば半円形のグリルデザインや丸型フォグランプなどはポンテアックのアイデンティティである。
トヨタとGMの共同プロジェクトといえば数年前にトヨタが販売したキャバリエを思い出す人も多いだろうが、キャバリエが“GM製のクルマをトヨタが輸入した”のに対して、ヴォルツは“デザイン、設計、開発のすべてをトヨタが担当した”のが大きなちがい。しかもNUMMIの生産ラインでは、塗装工程と出荷確認工程の2ヵ所で専用の品質チェックゲートを設け、そこで“日本向けのヴォルツのみ”を徹底的にチェックするのだという。すなわちヴォルツは“たまたま工場がアメリカにあり、もろもろの事情で米国ではGMが販売する”だけの正真正銘のトヨタ車と考えていい。
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ヴォルツの基本的な成り立ちは“NCV”すなわちカローラと共通のプラットフォームに、全高1605mmのSUV風ハッチバックボディを載せたもの。最低地上高は170〜180mmと乗用車としては高めだが、タイヤは50〜55扁平の完全なオンロードタイヤだから、同社のRAV4やエクストレイル、CR-Vなどとは少しコンセプトが異なる。あえて言うなら“オフローダー風デザインのハイトワゴン”といったところだろう。
乗用車なみのヒップポイントに座るインテリアは天地方向の余裕が印象的だし、ドライブフィールはSUVやミニバンというよりハッチバックに近い。ライトSUVの草分けとなったRAV4も2代目となった現在ではエクストレイルやCR-Vの後塵を拝していることもあり、エアトレックやフォレスターにも真っ向から競合できそうなヴォルツは、トヨタの国内SUV市場での巻き返しに貢献できそうだ。
2600mmというホイールベースは兄弟車ともいえるカローラシリーズと共通で、天地に深いボディ形状と低めのヒップポイントがあいまって、リアシートは身長178cmの筆者が前後に座ってもユッタリくつろげる。
リアに向かって下降する独特のウィンドウグラフィックのせいでほどよい囲まれ感(かわりに後席からの前方視界はあまりよくない)もあり、その居心地はエクストレイルやCR-Vといったクラスのトップランカーにひけを取らない。
またリアシートは背もたれに連動して沈み込む“ワンタッチフォールドダウン機構”によってシートバックを倒すだけでフラットな荷室が現れる。トランクスペースにはエクストレイルに続いて取り外し式プラスチックフロアを採用しているが、スライド式のフックレールを設けるなど後発らしい工夫もある。
ただこの種のプラスチックトランクは荷物が滑りやすいから、使い方によって好みが分かれるところだろう。 |
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ヴォルツのエンジンは2種類で、ともに排気量は1.8リッター。トヨタの標準エンジンともいえる1ZZ-FE型(FFで132PS)と、VVTL-iを採用してNAで190PSを絞り出す2ZZ-GE(セリカやウィルVSと同じ)である。
190PS版を積むZグレードには4ATのほかに6MTも用意されて、その走りはまさしくホットハッチそのもの。引き締まったサスペンションと17インチのハイグリップタイヤ(ファイアストン・ファイアホークSZ50)の組み合わせで曲がりくねったワインディングも素早く駆け抜け、6200rpmでバルブリフトが切り替わると乾いた快音で矢のように加速していく。まあこれは全幅1775mmという3ナンバーボディによるワイドトレッドも効いている筈だ。さらに、これだけハードな足回りでもボディがまったく音を上げないのはたいしたものである。
ただし、132PSで16インチのSグレード(売れ筋はこっちだろう)でも、カローラ系の中ではかなり引き締まったスポーティな性格である。飛ばしたときのロール量こそ少し増えるのは当然だが、 それでもホットハッチらしい正確なハンドリングはそのままで、SUVやミニバンの走りとは一線を画す。また実用域でのトルクには定評のある1ZZ-FE型ゆえ、4000rpm以下の中低速域に限れば190PSのZグレードと体感上のパンチ力はほとんど差がない。これなら“スポーティな走りも楽しみたい”という人にも、ATで乗るかぎりはSグレードのほうがオススメである。価格、乗り心地、ハンドリング、燃費も含めた経済性のバランスはSグレードのほうが明らかに上手といっていい。
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