| 取材協力 :トヨタ自動車株式会社(2001年11月26日取材) |
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トヨタの新しいミニバン、ヴォクシーとノアは、ご存知のようにライトエース/タウンエース・ノアの後継となる5ナンバーワンボックスである。これまでは、商用ワンボックスカーのライトエース/タウンエースと基本デザインや設計を共用したFR車だったが、今度は完全な乗用車専用となるFF車へ転換。このジャンルにおける"不動の横綱"といえるホンダ・ステップワゴン、そして、ニッサン・セレナなどと全く同じ土俵で勝負することになった。
リアに、トーションビーム式トレーリングアームを採用するサスペンション周りの基本設計はイプサムと共通。直噴ガソリンの2.0リッター1AZ-FSE型エンジンは、ビスタ・アルデオやガイア、ナディアにも搭載されているトヨタの最新世代4気筒である。
ヴォクシーとノアの差別化は、これまでのタウンエース/ライトエースのバッジ・エンジニアリングから脱皮して、フロントフェンダーより前のフロント部分が全くの別デザインに仕立てられており、ヴォクシーが20歳〜30歳台の若者層を、ノアが30歳台以上のユーザーをターゲットにしたというが、実際に売り出してみると、「50歳台まではほぼ予想どおりですが、60歳台以上は逆に直線貴重のヴォクシーを好む傾向にあるんですよ」と、開発担当者は笑う。
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FF化による最大のメリットはフロア高を大幅に低くでき、その分、室内空間を大きく確保できること。ヴォクシー/ノアの440mmという前席フロア地上高は、FR時代に比べて75mmも低くなり、ステップワゴンの420mmには及ばないものの、最新の乗用ワンボックス並のレベルに仕上がっている。また、運転席のヒップポイントも先代に比べて65mm低くなっているが、開発陣の話では、「技術的にはもっと低くできたが、小柄な女性にも運転しやすいこと、そして、見晴らしがいいというこの種のミニバンの魅力を感じられる高さに設定した」とのことだ。ほとんど乗用車的に低いドライビング・ポジションのステップワゴンに対して、ヴォクシー/ノアには、確かに"適度なミニバン感"がある。
シートのアレンジでは、2列目シートを回転させて3列目と対座させることができる"マルチ回転シート"と、セカンドシートを跳ね上げ、折り畳むことができる"ワンタッチ・タンブルシート"の2種類が用意されている。サードシートはともに、スライド式(セレナ型)ではなく、ステップワゴンと同じく左右跳ね上げ式。1タイプであらゆるアレンジを可能にした"豊富さ"という点では、ステップワゴンに一歩及ばないが、個人的には、「ヴォクシー/ノアのアレンジで十分でしょう!」という気になるし、こちらには両側スライドドアという強力な武器もある。
ホンダ・ストリームやトヨタ・スパシオなど、背の低いミニバンでは1年に1度の緊急用でしかないサードシートだが、さすがにこの車高があれば、1〜2週間に1度くらいは使ってもいいかな、と思える空間が確保できている。5ナンバーで6人〜7人乗りが必要なら、少なくともこのクラスの居住スペースが最小限度と考えるべきだ。
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走行系メカニズムに関していうと、エンジンは1種類のみ。サスペンションはノーマルと"HインフィニティTEMS"の2種類。そして、FFとスタンバイ4WDという駆動方式が選べるから、走りのテイストは全部で4種類ということになる。ちなみに、最初に試乗したモデルは、ノアのFFモデルで、サスペンションはTEMS仕様。乗り出しての第一印象は、不要なロールがほとんどないということだった。背の高さによる不安な挙動は全くといっていいほど存在せず、横風に対する強さもステップワゴンの一枚上をいく。また、純粋な乗用車して見ても、乗り心地は悪くない。こうしたバランスの取れたミニバン・ハンドリングの設定は、最新トヨタ車に共通する美点だ。
その後に試乗したノーマル・サスペンション車では、足のセッティングがドンピシャと感じただけに、キャラクターを3段階に設定できるHインフィニティTEMS(ノアは7万円のメーカーオプション、ヴォクシーには装着グレードを設定)の必要性はまったく感じないし、逆にTEMSの場合、どのポジションにしても中途半端な印象が否めなかった。
というわけで、エアロパーツやディスチャージ・ヘッドランプが標準(HインフィニティTEMSも標準装備)となるヴォクシーのZグレードには、TEMSなしの低価格バージョンを用意して欲しいと感じた。20歳台の男性にとっては、それがベストチョイスとなるはずだから……。
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