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トヨタ WiLL VS
取材協力 :トヨタ自動車株式会社(2001年4月23日取材)
※それぞれの写真をクリックすると拡大表示します 


緊急試乗レポート トヨタ WiLL VS
トヨタ WiLL VS
ニューモデル
(2001年4月6日発表)
レポート 岡崎 五朗
写真 中野 英幸

トヨタ WiLL VS クルマ総合カタログ
トヨタ WiLL VS 新車 見積もり

 WiLL VS(ウィル・ヴイエス)は、WiLL Viに続くWiLLプロジェクト第2弾。ヴィッツのプラットフォームをベースにカボチャの馬車風に仕上げたカワイイ系のViとは打って変わって、VSは男っぽくてクールでちょっとワルっぽいのが特徴だ。また、高い評価を獲得しているカローラのプラットフォームを使い、さらに190psエンジン搭載モデルを用意するなど、走りにもかなり気合いが入っている。
トヨタ WiLL VS グレード展開は190psのFFを頂点に、136psのFF、125psの4WDと、搭載するエンジンと駆動方式別に合計3種類を用意する。価格はそれぞれ205万円、175万円、190万円。装備の充実度を考えるとお買い得感はかなり高いが、これには月販目標1500台という、この種のスペシャルモデルとしては強気の数字が影響しているのだろう。しかし、実際に眺め、触れ、乗ってみた結果、この数字は決して強気の予想ではなく、むしろ控えめな数字ではないかとさえ思えたのだった。


トヨタ WiLL VS  WiLL VSのスタイリングは独特だ。ステルス戦闘機を連想させるパキパキッとした面、ハッチバックとワゴンとクーペを融合させたようなスピード感あふれるフォルム、勢いよく切れ上がっていくショルダーラインなど、いままで見たことのない強烈な個性をもっている。今年1月のLAモーターショーに参考出品した際、各自動車メーカーのデザイナーたちが絶賛したというのもうなずける。一般の来場者はあまりの個性の強さに多少、困惑気味だったようだが、その道のプロが絶賛したということは、時が経ち、目が慣れていくにしたがって、一般ユーザーからも歓迎されるようになるのはまず間違いないだろう。
 ドアは4枚付いているが、後席サイドウインドウは「視界が悪くて狭苦しそうだな」と思われても仕方がない形状だ。しかし、実際に乗り込んでみると閉所感はほとんどない。サイドウインドウ下端は肩の位置よりさらに上にあるのだが、頭の横にピラーが被らず、サイドの視界が開けているため、予想以上に見晴らしがいいのだ。また、レッグスペースやヘッドクリアランスにも余裕があるし、リアシートの座り心地もなかなかのもの。これなら4人で長距離ドライブしてもまったく苦にならない。ただし、ラゲッジスペースは小さめだが……。

 インテリアの雰囲気をストレートに表現すれば"濃密"となるだろう。メーター、ATセレクター、シート、各スイッチ類など、いたるところにデザイナーの遊び心とこだわりを強く感じる。とはいえ、このインテリア(エクステリアもそうだが)、爽やかに晴れ渡ったリゾート地にはまったく似合わない。WiLL VSがもっともハマるのは、真夜中の高層ビル街のような、ちょっと妖しげなシチュエーションだと思う。
トヨタ WiLL VS トヨタ WiLL VS トヨタ WiLL VS トヨタ WiLL VS


トヨタ WiLL VS トヨタ WiLL VS
 3モデルすべてに乗ってみたが、全体的にいえるのは「予想以上の優秀さ」だ。WiLLと聞いてタカをくくっていたのだが、走りはじめた途端、そのしっかりしたフィーリングに驚かされた。とくに190psモデルのフットワークは、同じエンジンを積むフィールダーやランクス/アレックスに対して明らかに進化している。ランクス/アレックスはフィールダーよりあとに出たぶん、熟成が進んでいたが、WiLL VSではさらに熟成度が上がったな、という印象だ。開発担当者によると、スプリングやダンパーの設定見直しだけでなく、ボディやサスペンションの補強対策まで施しているとのこと。なるほど、たしかにイイはずである。具体的には、シャープな回頭性を実現しつつも決して過敏ではなく、思い通りのラインをスムースに描いてくれる正確さをもっている点がいちばんの魅力。また、走りに振ったセッティングのために足はかなり引き締まっているが、しっかりしたボディによって乗り心地に粗さがないのも大きなチャームポイントだ。モデル別では、190ps FFは重厚、136ps FFは軽快、125ps 4WDはマイルドとなるが、どのモデルもワインディングをかなりのペースで駆け抜けることが可能だ。

 動力性能は当然ながら190psモデルが群を抜く。しかし、このエンジン、4速ATとのマッチングがいまひとつ。1速と2速が離れすぎているため、美味しい回転域(6000rpm以上)をキープするのが難しいのだ。街中での通常走行に限定すれば、他のグレードを選んでも力強さに決定的な差はないと報告できる。トヨタ WiLL VSといっても、WiLL VSのような尖ったクルマにとって、エンジンの存在感はやはり重要なポイント。ギア比の問題はあるにせよ、積極的に回していったときの痛快なサウンドや加速感は、WiLL VSがもつ非日常的な魅力を間違いなく増幅してくれる。136ps仕様との価格差は30万円あるけれど、CD/MD一体型オーディオ、本革巻きステアリング、15インチフロントディスクブレーキ(136ps仕様は14インチ)といったプラスαの装備を考えれば、決して高くはない。僕がコイツを買うなら、迷わず190ps仕様を選ぶ。
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