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レポート : 佐藤 久実
写真 : 中野 英幸

取材協力 : MGローバー日本株式会社
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スローライフを愛する人々へ…
 ドライブフィールもやみくもにパワーやスピードを求めたタイプのものではない。むしろ全体的に穏やかさが特長といえる。

 たとえばアクセルペダルを踏んでも、低回転域はトルクフルではない。必要に応じてさらにペダルを踏み込めば、回転計の針の上昇とともにスピードは増していく。

 乗り心地も良く、サスペンションのチューニングやタイヤの当たりにも角がない。タイトコーナーを攻め込むとフロントのダンピング不足が見られるが、クルマのキャラクターを考えれば守備範囲外といえるかもしれない。ただ、ツアラーはワゴンボディになった分、サルーンに比べるとボディ剛性の低さは否めない。

 エンジン特性やオートマチックミッションのシフトスケジュール、そしてサスペンションも、東京の都心部でもなければドイツのアウトバーンでもなく、まさしくイギリスのカントリーロードを颯爽と気持ちよく走れることに照準を当てたチューニングが施されていると感じる。日本車を筆頭に欧州車でさえドイツ車至上主義が感じられ、お国柄が味わえなくなってきた昨今、いかにもイギリス車らしい個性は新鮮にすら感じられた。

 ローバー75の試乗とともに、自動車のルーツである馬に乗るチャンスも与えられた。馬は乗り手の気持ちを察する。怯えればなめられるし、やさしく声をかけながら手綱を手繰ればいうことをきいてくれる。

 ローバー75は、改良が施されているとはいえ、やはり基本設定の古さは否めない面もある。むしろ馬とつきあうような感じでクルマにも愛着を感じられ、イギリスのカントリーロードをのんびり走るようなイメージを好む人には魅力的だろう。自動車自体が人から見れば十分に速い乗り物であり、その恩恵に授かりながらも“スローライフ”を好む人にもオススメだ。運転のしやすさという意味では乗り手を選ばないが、このクルマの良さを理解できるライフスタイルやドライバーの嗜好という意味では、趣味性の高いクルマといえるかもしれない。

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