信号等で停車した場合に、自動的にエンジンを停止し、アイドリングで消費される燃料の抑制を図るのが、自動アイドルストップ装置。かつては「再始動時に増量される燃料や増加する排ガスを考慮すると、30秒程度の停車時間がないと逆効果」と言われていたが、燃料噴射制御が緻密化した現在、5〜10秒の停車でも効果があることが確認されている。
アイドルストップが作動した後、ブレーキペダルから足を放すなどの再発進動作を検知して、自動的にエンジンを再始動する。再始動には通常、スターターモーターが使用されるが、ハイブリッド車の場合は駆動モーターや発電機が利用される。また、マツダは直噴エンジンの特性を利用し、燃焼エネルギーをクランキングに使用する独自のシステム“i-stop”を開発。始動時間を従来システムの約半分の0.35秒まで短縮している。
10・15モードの総計測時間660秒中、アイドリングしている時間は183秒(約28%)あるため、この装置を付けるだけで、少なくとも5%程度のモード燃費向上が見込める。アイドル時に燃料消費量の多い大排気量車ほど効果は高いが、実用化されているのはダイハツ・ミラやトヨタ・ヴィッツ、マツダ・アクセラなど小排気量車ばかりである。
一般のクルマで手動アイドルストップを行うと、イグニッションキーがACC(アクセサリー)位置ではウインカーやワイパーが動かなくなり、空調のブロワモーターも停止してしまうほか、再始動時にはオーディオが中断されたり、カーナビが再起動を強いられたりという問題がある。また、AT車やCVT車では、エンジンを停止してしまうとクラッチの圧着やプーリー比の保持に使用する油圧の確保ができず、再発進が遅れたりショックを伴ったりという問題が発生する。
そこでほとんどのアイドリングストップ装置装着車ではバッテリーが強化されており、エンジン停止時にも電装部品に給電が行われるほか、トランスミッションの油圧ポンプも電動化されており、アイドルストップ時にも油圧が保持できるようになっている。
一方、エアコンのコンプレッサーを駆動する電力までは賄うには、ハイブリッド車並のバッテリー容量が必要となるため、アイドルストップ車で電動エアコンを採用している例はない。アイドルストップ時には除湿機能も失われるため、車内に湿度センサーを設置しておき、窓の曇りが予想される温度/湿度条件になったときにはエンジンを始動させるといった制御が行われる。