CO2(二酸化炭素)は、もともと大気中に含まれるありふれた物質だが、近年では地球温暖化の原因となる温室効果ガスとしての性質が注目を浴びている。大気中におけるCO2の濃度が高くなると地球温暖化が進行し、気候変動、海水面の上昇、生態系の変化などを引き起こすといわれている。
その根拠を示す科学的見地として広く認められているのが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2007年に発行した「IPCC第4次評価報告書」である。それによれば、大気中のCO2濃度は産業革命以前よりもはるかに高く、その増加は人間による化石燃料の使用が主な原因であると結論づけられている。
温室効果ガスはCO2のほかにもCH4(メタン)やN2O(亜酸化窒素)などがあり、体積あたりの温室効果はそれらの方が高い。だが、CO2はそれらに比べて人為的に排出される量が莫大であるため、地球温暖化の最大の原因とされている。ちなみに「IPCC第4次評価報告書」の統計によれば、産業革命以前の平均的なCO2濃度が280ppm(パーツ・パー・ミリオン:100万分の1)程度であったのに対して、2005年当時のCO2濃度は380ppm程度で、約250年間で約35%増加したことになる。
そうした背景から、自動車が排出するCO2の量を正確に把握するとともに、その排出量を削減しようという動きも活発になっている。EV(電気自動車)や燃料電池車など、走行中にCO2を排出しないZEV(Zero Emission Vehicle)の普及もさることながら、ハイブリッドカーや従来のガソリン車、ディーゼル車なども、さらに燃費を向上してCO2の排出量を削減することが求められている。
クルマのCO2排出量を算定するための排出係数は国土交通省によって定められており、最近では自動車メーカーのホームページやカタログに車種別のCO2排出量が明記されている。代表的な例でいうと、トヨタ・カローラアクシオ(1.5L/CVT/2WD)のCO2排出量は10・15モード燃費換算で125g/km。同じくトヨタのプリウスは10・15モード燃費換算(車両重量1310kg)で61g/km。それぞれ1万kmを走行すると1250kgと610kgのCO2を排出することになる。このように自動車のCO2排出量を明確に把握することが、CO2削減を達成するための第一歩といえるだろう。