EV“Electric Vehicle”=「電気自動車」とは、電気を使ってモーターを回転させることにより駆動力を得る自動車の総称。そのため燃料電池車やソーラーカーなども広義のEVに含まれるが、一般的には二次電池(蓄電池)を搭載し、そこから供給される電気によってのみ駆動される二次電池式EVのことを、単にEVと呼ぶことが多い。
EVの歴史は意外と古く、1830年代にはその原型が発明され、1870年代には実用化された。1900年代初頭の自動車黎明期には相当数が普及したが、やがてモータリゼーションの主導権を内燃機関に譲ることになった。
だが、地球温暖化が大きな問題となるにしたがって、EV最大のメリットであるゼロエミッション(走行中にCO2などの温室効果ガスやその他の有害物質を排出しないこと)が、再び脚光を浴びることになった。また、従来の蓄電池よりも小型・軽量でありながら大容量の充電が可能なリチウムイオン電池が開発されたことも、再びEVの実用化に扉が開かれた大きな要因である。
二次電池式EVは駆動用バッテリーに蓄えた電気をインバーターで制御し、モーターを回転させて駆動力を得る。駆動用バッテリーの電気を使い切ったら外部から電気を充電する必要があるが、その方法は現在のところ2種類存在する。ひとつはクルマに備えられた車載充電器を通して、家庭用の100Vおよび200V電源、またはEV専用の急速充電器などを使って充電する方式。これは既に三菱・i-MiEVやスバル・プラグインステラなどが採用しており、今後開発が進むであろうプラグインハイブリッドカーも同方式を採用する予定だ。もうひとつは駆動用バッテリーそのものをフル充電された別のものに交換する方式で、日産がアメリカのベタープレイス社と協力して展開する予定である。
いずれの方式にしてもEVが広く普及していくためには充電インフラの整備は必要不可欠だ。さらにはバッテリーのさらなる高性能化と長寿命化、それにともなう航続距離の延長、製造コストと販売価格の低下なども大きな課題である。それらの課題が解決されていくまでは、二次電池式EVは小型で短距離移動を目的としたシティ・コミューターとしての展開が有望視されている。