9名の著者からなるグリーン・ニューディール・グループによって取りまとめられ、イギリスのシンクタンクであるNEF(New Economics Foundation)から2007年に発表された提言書「A Green New Deal」のタイトルに由来する表現。提言書の内容は、金融危機、気候変動、原油高騰の3つの危機に対する政策案を集めたもので、具体的には「省エネルギー技術に政府主導で投資すべきである」、「低炭素社会のインフラ構築のために雇用を創出すべきである」など多岐にわたる。
そこから転じて、環境技術の発展や低炭素インフラの整備などに対して政府が積極的に財政出動を行い、雇用の創出と経済システムの再構築を実現すべきであるといった提言、もしくは政策そのものをあらわす用語として「グリーンニューディール」という表現が使われるようになった。国連の機関であるUNEP(United Nations Environment Programme)も「グローバル・グリーン・ニューディール」と題し、グリーン経済の実現を呼びかけるイニシアチブを2008年に発表している。
また、アメリカのオバマ大統領が掲げるエネルギー政策がグリーンニューディールと表現され、マスコミによって広く報道されたことも一般の認知度をあげるきっかけとなった。その内容は、クリーンエネルギーに今後10年で1500億ドル(約15兆円)を投資して500万人の雇用を創出。さらに、温室効果ガスの排出量を2050年までに80%削減(1990年比)するといったものだ。
「ニューディール」とは、もともとフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌を克服するために行った経済政策の名称。オバマ政権の誕生と同時にグリーンニューディールという表現が広がっていったのは、現代の世界金融危機と1930年代の世界恐慌をダブらせ、そこから早く脱却したいという思いが反映された結果ともいえるだろう。
日本においても、環境省が環境保全を通じて景気浮揚や雇用創出が期待できるアイデア・意見を有識者や国民から募集し、「緑の経済と社会の変革」と題した提言を発表した。低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現を目指し、環境分野への投資を経済成長や雇用創出につなげる取り組みを進めていくとしている。