アメリカ合衆国で1994年から実施されている小型自動車排出ガス規制の“第2段階・第5等級”を意味する。Tier II BIN 5は、'09モデルイヤーの車両から適用される。
計測モードが異なるため、厳密な比較はできないが、日本の最新規制である“ポスト新長期規制”のディーゼル乗用車基準に対し、NOxの規制値が約半分となっており、“世界一厳しい”とも言われる。ガソリン/ディーゼルの区別は無く、同じ規制値が適用されるのも、日本とは異なるところで、ディーゼルのNOxやPMにもガソリン車と同水準が求められる。
規制の対象となる物質は、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)、HCHO(ホルムアルデヒド)、NMHC(非メタン炭化水素)またはNMOG(非メタン有機ガス。北米では'90年代から、バイオエタノールを10%混合したE10ガソリンが販売されているため、エタノールの変成物で発がん物質でもあるホルムアルデヒドの排出量に規制値が定められている。
アメリカ合衆国では、1990年の大気浄化法改正に基づき、小型自動車を対象とした2段階の排ガス規制スケジュールが策定された。その第1段階がTier I、第2段階がTier IIである。
Tier Iは、'94年から'97年の間に段階的に実施された。対象となったのは、車両総重量(車両重量に乗車定員及び最大積載量を加えた値)3856kg(8500ポンド)以下の乗用車とライトデューティトラック(SUV/ピックアップトラック/ミニバン等)。ライトデューティトラックは、車両重量や積載量別に4つのカテゴリーに分けられており、それぞれ異なる排出基準が定められていた。
Tier IIは'04年から'09年の間に段階的に実施されており、適用範囲を車両総重量4635kg(10,000ポンド)までの中量級乗用車にまで拡大。車両のタイプや重量による区分が撤廃された代わりに、排出ガスのレベル別に、BIN 1からBIN 11まで11等級に分けられた。数が少ないほど有害ガスの排出量が少なく、BIN 1は電気自動車や燃料電池車などのゼロ・エミッション・ビークルになる。