ZEV(Zero Emission Vehicle)は「無公害車」を意味し、狭義においては排ガスを一切排出しないEV(電気自動車)や燃料電池車のことを指す。
そのZEVの普及を促進し、大気汚染を防ぐことを目的とした法規制として広く知られているのが、カリフォルニア州のCARB(California Air Resource Board:カリフォルニア州大気資源局)が定めるZEV規制である。これは、カリフォルニア州でクルマを販売する自動車メーカーは、販売台数の一定比率をZEVにしなければならないと定めた規制で、その比率は2009年〜2011年は11%、2012年〜2014年は12%、2015年〜2017年は14%、2018年以降は16%と規定されている。
ただし、EVや燃料電池車などの純粋なZEVのみで規制をクリアすることは実際には難しいため、ZEVの形式を広義に定め、それらの販売台数も組み入れることが可能とされている。具体的には、Enhanced AT-PZEV(プラグインハイブリッドカーなど)、AT-PZEV(ハイブリッドカーや天然ガス車など)、PZEV(SULEV“Super Ultra Low Emission Vehicle”基準を満たすなどした排ガスが極めてクリーンな車両)などである。
例えば2012年〜2014年の期間は、販売台数の12%をZEVにしなければならないが、その内訳はZEVが0.79%、Enhanced AT-PZEVが2.21%、AT-PZEVが3%をそれぞれ最低限必要な量として、残りの6%をPZEVで占めてもよいことになっている。
また、ZEVは航続距離に応じてタイプ分けが行われ、販売台数に乗じることができるクレジット(係数)が設けられている。航続距離が長い(=環境に対して導入効果が高い)ほど高いクレジットが与えられているため、自動車メーカーはより航続距離の長いZEVを多く販売するほど、規制をクリアしやすくなる仕組みとなっている。
ZEV規制への対応策は自動車メーカーによってまちまちだが、短期的にはEVの新規開発を優先するメーカー(ホンダ、日産など)と、プラグインハイブリッドカーの開発を優先するメーカー(トヨタ、GMなど)とに大別することができる。トヨタは小型EVのアメリカ先行導入も発表しており、今後アメリカでZEVの普及がどれほどのペースで進んでいくのか注目される。