同義語:トルコン
オートマチック=自動変速機のクラッチに用いられる動力伝達装置。トルクコンバーターを略してトルコンとも呼ばれている。その昔は変速機としても使われていたが、クルマ用としては現在、クラッチとしてのみ使用されることが多い。
オイルの流れを利用しているために断続がスムーズで、トルク増幅機能によりとくに低速時のトルクを増加させることができるのが特長。ただし、伝達効率が落ちるため燃費性能が低下するとともに、複雑な機構のためにコスト高や重量増となりやすい。クリープと呼ばれるアイドリング時に微速で走行する性質を持つ。
<歴史>
トルクコンバーターは1948年にGMによって初めてクルマに採用された。このときは2段変速機との組み合わせだったが、通常は2速固定で入力側(エンジン側)と出力側(駆動輪側)の回転差をトルクコンバーターで調整する変速機として用いられていた。クラッチのみとして使用されるようになったのは1950年代の後半に入ってからである。
<構造と仕組み>
基本構成は、ポンプインペラーとタービンインペラー、ステーターの3つ。エンジン側に付くポンプインペラーが回転すると、トルクコンバーター内に満たされたオイルをかき回し、吐き出したその流れで駆動輪側につながっているタービンインペラーを回転させ、トルクを伝達する。
ここまでは流体クラッチ=フルードカップリングと同じが、トルクコンバーターとフルードカップリングとの違いは、ステーターによってタービンインペラーから吐き出されたオイルの流れをポンプインペラーをさらに強く回転させる力に変換する点。トルク増幅機能と呼ばれるもので、トルクコンバーターの大きな特長である。
クラッチに使用されていると聞くと、動力を断続させる仕掛けを想像するが、実際は、トルクを伝達するとともに入力と出力の回転差を吸収できる機構。入力側=エンジン側が回転していても、出力側=駆動輪側が停止している状態を保てるため、自動クラッチとして用いられている。
<現状>
ロックアップ機構の追加や電子制御化により改善されているとはいうものの、やはり、摩擦式クラッチに比べると伝達効率が劣る。また重量増も燃費性能には不利。二酸化炭素の低減=燃費性能の向上が急務となっている昨今は、ツインクラッチ式をはじめとする自動クラッチと伝達効率を両立したトルクコンバーターに代わるシステムが台頭しているが、ごく最近ではマツダがSKYACTIVドライブという名前で、燃費を高次元で両立できるタイプを開発したと発表している。