新車のトラック、バス、乗用車から排出されるNOx(窒素酸化物)およびPM(粒子状物質)のさらなる低減を図るため、国土交通省によって制定された自動車排出ガス規制のこと。2008年3月に告示され、2009年10月から新車のディーゼル車などに対して適用が開始された。
これに伴って、ディーゼル車は従来の「平成17年度排出ガス規制(新長期規制)」に比べてNOxを40〜65%、PMを53〜64%も低減することが定められた。PMの排出が懸念される一部のガソリン車(告示日現在では生産・販売の実態なし)のほか、ガソリン・LPG・軽油以外の燃料を使う車両に関しても、ディーゼル車と同様の規制が定められている。
日本における自動車の排出ガス規制の歴史は、まず1968年に「大気汚染防止法」が制定されたのに伴って、保安基準にガソリン車に対する排出ガス規制が盛り込まれたことに始まる。NOxやPMが光化学スモッグや酸性雨などの大気汚染を引き起こし、人体へも悪影響をおよぼすことが表面化するにつれ、それらの排出量を規制する排出ガス規制も厳しさを増していった。平成に入ってからは「平成元年規制」、「平成6年規制(短期規制)」、「平成11年規制(長期規制)」、「平成16年規制(新短期規制)」、「平成17年規制(新長期規制)」と、短い期間でNOxやPMの排出量を低減する規制が次々と適用されてきた経緯がある。ポスト新長期規制の適用開始に伴って、さらなる排ガスのクリーン化が期待されている。
また、自動車排出ガス規制は欧州とアメリカでも独自の規制が制定されている。ディーゼル車の普及率が高い欧州では規制が比較的緩やかな一方、アメリカではディーゼル車とガソリン車の排ガス規制値が分かれておらず、非常に厳しい規制が定められている。欧州では2008年からユーロ5(Euro V)規制が導入され、より厳しい規制値を設けたユーロ6(Euro VI)も既に発表済み。アメリカでは2007年から導入されたTier II Bin5規制が適用されている。日本ではディーゼル車の普及率が低いとはいえ、日本車メーカーにとっては欧州やアメリカでの販売シェアを広げるためには、それらの規制をクリアするディーゼル車を生産・販売することが重要。そのため、いずれのメーカーもポスト新長期規制をはじめとする各国の排出ガス規制をクリアするクリーンディーゼルの開発に余念がない。