バッテリー(電池)の原理が発明されたのは1800年のこと。世界初の電池は、電圧の単位であるV(ボルト)の由来ともなったイタリアの物理学者、ボルタの手によって考案された。それは正極に銅、負極に亜鉛、電解液として食塩水(のちに希硫酸)を使ったもので、それらの異なる金属が化学反応を起こすことで電気が流れる(自由電子が移動する)ことを証明するものでもあった。
この「ボルタ電池」の原理は現代にも継承され、極板と電解液に使う素材、その科学的な作用などを追求することで、より高性能な電池が開発されてきた。現在では、ひとくちに電池といってもさまざまな種類が存在するが、一般的なマンガン乾電池やアルカリ乾電池などの一度で使い切ってしまう電池は一次電池、クルマ用のバッテリーとしても使われる鉛蓄電池などは、充電して繰り返し使うことができる二次電池として分類されている。
車載用として一般的な鉛蓄電池の場合、正極に二酸化鉛、負極に鉛、電解液に希硫酸が使われている。負極の鉛は電解液の硫酸と反応して硫酸鉛に移行すると同時に電子を放出する。正極の二酸化鉛は電解液の水素と反応して水を生成する。そして負極からの電子を受け取り、こちらも最終的には硫酸と反応して硫酸鉛へと移行していく。これが放電の際の反応となるが、充電の場合はその逆の反応が起こる。二次電池とは、このように化学エネルギーを電気エネルギーとして放出(放電)、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄える(充電)という双方の反応を起こすことができるため、繰り返し電気を使用することができるのだ。ちなみに車載用の鉛蓄電池を充電するための電気は、エンジンの回転を利用してオルタネーターによって発電される。
最近ではハイブリッドカーやEV(電気自動車)などの駆動用としても使用することができる、より高性能なバッテリーも開発されてきた。そもそもクルマを電気だけで駆動するためには、大容量かつ体積が小さい(=エネルギー密度が高い)バッテリーの開発が必要不可欠。それを実現するバッテリーとして現在注目されているのが、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池である。