電気自動車の普及が遅れている理由のひとつが、航続距離の短さ。これを補うために搭載される発電システムが“レンジエクステンダー(航続距離延長装置)”で、車両全体では“レンジエクステンデッドEV”または“レンジエクステンダー式EV”と称する。
レンジエクステンダーには、一般に内燃エンジンと発電機が用いられる。二次電池に充電された残量が少なくなったとき、エンジンで発電機を回し、発生した電力を駆動モーターに供給して走行することによって、航続距離を確保する。
システム構成はシリーズ式ハイブリッドまったく同じだが、国際的に合意形成された分類基準は存在しない。シボレー・ボルトもクライスラー・タウン&カントリーEVもジープEVも、バッテリーのみの航続距離がともに40マイル(約64km)だが、前者は“プラグイン・ハイブリッド車”、後二者は“レンジエクステンデッドEV”と称している。
レンジエクステンダーのエンジンには、車格に比して排気量の小さいものが用いられる。タウン&カントリーEVおよびジープEVの搭載エンジンの仕様は公表されていないが、発電機出力が70kWであることから、1.5〜1.6リッター程度(ベースモデルの約半分)の4気筒エンジンが使用されていると思われる。
“プラグイン・ハイブリッド車”を名乗るシボレー・ボルトは1.4リッター直列4気筒と、こちらも車格に対して半分程度の排気量のエンジンが搭載されている。GMはボルトの市街地走行燃費を230m/g(約98km/L)と公表しているが、EV走行を除いた燃費を同社の公表データから計算すると、約21.7km/Lとなる。
小排気量エンジンを使用するのは、機械損失の低減や常用域での効率向上を目的としたもので、初期に充電した電気を使い切った場合でも、定常走行時の余力を利用して充電を行い、強い加速が必要なときには電池の電力を利用して、車格に見合った加速を得る制御を行っている。