摩擦クラッチよりも劣っているトルクコンバーターの伝達効率を補填するために備わる補助クラッチ。トルクコンバーター付きの自動変速機において、トルクコンバーターを介さずに入力側=エンジン側と、出力側=駆動輪側を直結することで伝達効率を向上させる。
<構造と仕組み>
1970年代に登場したロックアップクラッチ。その目的は伝達効率の向上=燃費向上である。入力側にトルコンカバーと、出力側につながるタービンライナーの間に摩擦式クラッチを備え、必要に応じて断続を行う。これにより、10%程度落ちるといわれているトルクコンバーターの伝達効率を100%まで引き上げることができるのだ。当初は速度などに応じて自動的に作動するパッシブ制御だったが、現在はコンピューターによりアクティブかつきめ細やかな制御がなされている。
なお、ロックアップクラッチはあくまでも伝達効率の向上が目的で、発進や変速におけるクラッチ機能はトルクコンバーターが担っている。
<作動領域>
登場当初は断続時の衝撃や低い車速でエンジンの振動が伝わるのを回避するため、トップギアの限られた領域でしか作動させていなかった。しかし現在は、クラッチを滑らせるスリップ制御をはじめとするきめ細かな電子制御やロックアップダンパーの採用などにより、幅広い速度域やトップギア以外での作動も可能になっている。
伝達効率の向上=燃費を優先させるなら、ロックアップクラッチの作動範囲は幅広いほどよい。ただし、作動中はトルクコンバーターの特長であるトルク増幅効果が得られないため、クルマの特性によっては、ロックアップしない領域をある程度持たせた方が好ましい場合もある。