確かに21世紀に入るまで、欧州のメーカーはハイブリッドについて一歩引いた見方をしていた。答えは明確、欧州には需要がなかったからだ。日本におけるクルマの用途は都市内の移動が中心となるが、欧州では都市間の移動が重視される。飛行機や列車ではなく、500kmくらいであれば当たり前のようにクルマで移動をする。周知の通り、高速道路の流れはドイツのアウトバーンに限らず、どの国でも日本よりもかなり速い。追い越し車線の平均速度は140km/h前後、アウトバーンなら160km/hあたりではないだろうか。それだけに、ドア・トゥ・ドアで考えればクルマで移動をした方がキッチリと時間が稼げるわけだ。
こうした場面において、ハイブリッドは走行エネルギーを回収する機会が多くないだけに優位性が低くなってしまう。むしろ、ディーゼルの方が優れた効率が実現できる。こうした背景があり、欧州では高効率化とともにクリーン化を進めてきたディーゼルが環境技術の主役となったわけだ。だが、ハイブリッドを軽視していたわけではない。とくにドイツ系メーカーは基礎研究を進めていた。BMWも同様であり、2003年にはX5をベースにしたハイブリッドのプロトタイプを公開。リポーターも試乗したが、1000Nmを発揮しフル加速すると4輪からタイヤスモークを発するという怪物だった。
その後、2005年のフランクフルトショーでドイツ系メーカーがハイブリッドのプロトタイプを一斉に発表。市場の用途はどうあれ、モード燃費(CO2の排出)を抑えるには優位なだけに環境技術を向上させるためには見過ごせなくなったのだろう。しかも、発表後の展開は速やかだった。確かにハイブリッドではトヨタやホンダが先行していたが、その遅れを一気に取り戻し5年を経ずして市販モデルを投入したのだ。
2010年、BMWは日本市場にもアクティブハイブリッド7とX6を投入。日本は環境技術の先進国と位置づけられていただけに、その扉を開け放ったという意味で両モデルは十分な存在感を示した。そして、いよいよハイブリッドの本格投入を開始する。今回ポルトガルで試乗したアクティブハイブリッド5により、日本の技術に正面から対抗してくる。