ワゴンのディーゼル車も良いが、大型のSUVはAWDという武器が頼もしい。燃費の良さは航続距離の長さを意味する。ドライブに出かけてもガソリンスタンドを探す手間が省けるのだ。最近は都市部だけではなく郊外でもガソリンスタンドの数が減っている。利用者が減少したことで、経営難となってしまったからだ。
飛騨高山を出て再び高速道路に乗る。目指すは世界遺産の合掌作りで知られる白川郷だ。冬でもしっかりと除雪されているから高速走行が可能だが、さすがにタイヤチェーンでは危険だ。地元のクルマはほとんどがスタッドレスタイヤを履くが、中にはチェーンを履く観光バスも見受けられた。
北国ではディーゼルは昔から人気が高い。低温ではガソリンエンジンは気化しにくく、ディーゼルは自己着火しにくい。しかし、今のディーゼルエンジンには余熱システムがあるから低温始動性が高く、ガソリン車では始動しにくい極低温でも問題なく始動する。予熱システムはほとんどドライバーが気がつかないうちに終了してしまう。
MLの走りは快調だ。SUVなのでドライビングポジションの位置が乗用車よりも高いから視界は申し分ない。ときおり路面が予想以上に滑りやすい場合でも、ABSやESPのおかげでタイヤ性能は安定した状態で使うことができる。
東京を出発して6時間以上経過しても、ドライバーは疲れを知らない。シートや視界性能など基本性能が高いので疲労は少ない。高速道路を80km/hで走行中のエンジン回転数は1600rpm前後。ディーゼルはやはり静かで力強い。白川郷に着いたのはまだ日が落ちていない時間であったが、心地よい疲労感で満たされていた。燃料計はまだ半分の手前を指している。このぶんなら無給油で東京まで帰ることができそうだ。聞くところによるとEクラスのワゴンよりも安いかもしれないらしい。4WDとディーゼルの組み合わせは私にはとても魅力的に思えたのである。