9月18日の朝のこと、日曜日だというのに日産の追浜工場に隣接するプルービンググラウンド、日産GRANDRIVEを目指して、自分のクルマを走らせた。もちろんそうしたのは僕だけではなく、多くの同業者がGRANDRIVEに集結した。その日ここでは、今年発売したニッサンのEV、リーフに関連するいくつかのイベントが開かれたからだ。
その1は、リーフを含む追浜工場の生産ラインの見学、その2が、下肢の不自由な身障者のためにつくられたリーフ ドライビングヘルパーの試乗、その3が、GRANDRIVEのコースを使った市販型リーフの試乗、そしてその4が、リーフのパワートレーンを使ってニッサンのレース車両開発部門であるNISMOが生み出したレーシングEV、ニッサンリーフニスモRCのGRANDRIVEコースでの試乗となっている。もちろんそこに集まったジャーナリストや雑誌編集者の多くが、その4のリーフニスモRCのドライビングを最大の愉しみにしていたはずで、僕自身はまさにそれが最大の目的だった。
そこで最初にニスモRCの成り立ちを解説しておくと、以下のようになる。まずその車両コンセプトは、EVのドライビングプレジャーを訴求することにある、とされているが、これはまさにマトを得た表現だと思う。なぜなら、僕がこの日ここに来た最大の理由も、RCに乗ることでEVのドライビングプレジャーを体験することにあったからだ。
ではそれを実現するために、RCは具体的にいかなる構成を持つクルマなのか。メインボディはカーボンモノコックとされ、その前後に鋼管サブフレームを持つ、レーシングカー式の構造が採用されている。そのモノコック中央部に位置する2座コクピットの直後にバッテリーを収め、さらにその後方にインバーターとモーターとギアボックスを横置きして、後輪を駆動するというのがそのメカニズム配置である。しかもそこに搭載されるEVパワートレーン、すなわちモーター、インバーター、バッテリーは、市販型リーフ用をそのまま使うというのも、ニスモRCのポイントのひとつだろう。
ニスモRCの具体的なスペックの数字は以下のようになる。ボディは全長4465mm×全幅1942mm×全高1212o、車重925kgで、これは市販型リーフと比べて全長が+20o、全幅が+172o、全高が−333oで、車重は市販型の1520kgから−595kgの減量になる。一方、モーターの最高出力は80kW、最大トルクは280Nmと市販型と変わらないが、ウエイト/パワーレシオは20.00kg/kWから11.56kg/kWへ、ウエイト/トルクレシオは5.71kg/Nmから3.30kg/Nmへと、劇的に向上している。しかしそれでも、ギアレシオが市販型リーフと共通なので、最高速は150km/hと、市販型と変わっていない。