色々と噂されていた1.2リッターのTSIがいよいよ日本に上陸する。その実力は多くの読者の想像を覆すほど「エコと使い易さ」を兼ね備えている。ゴルフに搭載されて登場するトレンドラインの1.2TSIを緊急レポートしてみよう。
まずここでTSIコンセプトを改めておさらいすると、TSIは「ターボ・スパークド・イグニッション」の略であり、TDIの「ターボ・ディーゼル・イグニッション」の名前に対応したものだ。スパークド・イグニッションとはプラグ点火を意味し、ディーゼル・イグニッションは自己着火を意味している(※)。
TSIが誕生したころVWは「DAS AUTO」というスローガンを打ち立てていた。この言葉の意味は「これこそ自動車」というシンプルで強烈なメッセージだった。そしてVWのエンジン開発部のクレプス博士は、自動車の根源たるピープルムーバーにふさわしいパワートレーンに関しては熟思の末、TSIを生みだした。
TSIの基本的なコンセプトはエンジンの排気量をダウンサイジングし、直噴ターボで武装することで、使いやすい高トルクを得るものだ。今回ゴルフに搭載される1.2TSIはカタログスペックを見る限り必要最低限の出力しか持たないが、エンジンルームを覗くと1.4TSIとは見た目が大きく異なるではないか。そう、この1.2TSIはコストを意識して開発されたSOHC・2バブルエンジンなのだ。
いままで世界中で高い評価を受けてきた1.4TSIと2.0TSIの最終章として1.2TSIが開発されたが、TSIのコンセプトは充分に受け継いでいる。いや、むしろこの1.2TSIこそが、TSIシリーズの最終秘密兵器であったのかもしれない。排気量を下げユーザーがダウンサイジングに慣れたころ、大本命の1.2TSIを登場させる。このVWの戦略には、世界中のユーザーが術中にハマってしまうのではないだろうか。
※編集部注 VGJによれば、VWの公式見解としては、TSIは“直噴過給エンジン”の総称です。