今回は5月の日本メーカー製乗用車の販売データから、ハッチバック、セダン、ステーションワゴン、ミニバン・1BOX、クロカン・SUV、クーペ・オープン、軽乗用車という7つのボディタイプ別に売れ筋モデルをチェックしていこう(販売台数は日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表値をベースに、軽自動車の一部と、トヨタカローラのように同じ車名でもボディタイプが複数あるクルマはメーカー調べのデータで集計)。
軽自動車を除く日本メーカー製乗用車(海外生産車、スズキのシボレーブランド含む)全体では14万8444台で、前年同月比は83.9%と10カ月連続のマイナスだったが、下落率は前月より10.6ポイント回復し、2カ月連続の下げ止まり傾向となった。軽乗用車は8万4990台で前年同月比は80.6%。これで5カ月連続の前年割れとなり、1〜5月の前年同期比では88.8%と、90%を割り込む状況となった。
ボディタイプ別ごとの単月合計では、5カ月連続で全部門前年割れが続いていたが、ハイブリッドカーの「トヨタ プリウス」、「ホンダ インサイト」が1万915台、8183台と好調に売れ、ハッチバック部門が7万4299台、前年同月比102.2%と前年を上回った。燃費の良さで注目を集めるハイブリッドカーだが、ハッチバックボディのプリウス、インサイトだけでなく、プレミアムSUVの「レクサス RX450h」が785台、セダンタイプの「トヨタ クラウンハイブリッド」も770台と好調で、クラウンハイブリッドは主力シリーズの「ロイヤル」を108台も上回る売れ行きに。トヨタ、ホンダ以外のメーカーも早期投入を表明しているだけに、多種多様のハイブリッドカーが登場するかもしれない。それでは5月の各ボディタイプ別売れ筋ベスト5を紹介していこう。

前月、ホンダ インサイトが「フィット」の17カ月連続トップにストップをかけたが、5月はモデルチェンジ前から話題沸騰のトヨタ プリウスがトップを奪取。旧型を衣替えした「プリウスEX」を含め、3/5ナンバーの乗用車では唯一の1万台超となる1万915台と好スタートを切った。受注は18万台を超え、今オーダーしても納車は来年の2月中旬以降というすさまじい人気で、ここしばらくはトップの座が揺るぎそうにない。プリウスに関しては笑いが止まらないトヨタだが、このプリウス人気を他のモデルの拡販にどうつなげていくか、現場での悩みはいまだ続いている。
| 今月 | 先月 | ハッチバック | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 10 | トヨタ プリウス | 10,915 | 1,952 | 559.2% |
| 2 | 2 | ホンダ フィット | 8,859 | 9,443 | 93.8% |
| 3 | 1 | ホンダ インサイト | 8,183 | 10,481 | 78.1% |
| 4 | 3 | トヨタ ヴィッツ | 6,619 | 6,706 | 98.7% |
| 5 | 4 | トヨタ パッソ(セッテ除く) | 5,078 | 4,214 | 120.5% |

トップ3は「トヨタ クラウン」、「カローラアクシオ」、「ベルタ」とトヨタ勢の独占で順位も前月から変動なしだが、4位に「日産 ティーダラティオ」がランクインしてきた。4月22日にティーダラティオを含む7車種をいち早くエコカー減税に対応させるなど積極的にチャンスを生かそうとする姿勢を見せてきた日産がやっと実績に結びつけた。5、6位にランクダウンした「トヨタ プレミオ」、「アリオン」も50%減税+新車購入補助金制度の対象車種をラインナップしているが、日産ほど積極的にアピールしていない。プリウス大人気のひとつの弊害ともいえそうだが、トヨタの今後の動きに要注目だ。
| 今月 | 先月 | セダン | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 1 | トヨタ クラウン(※1) | 3,143 | 3,521 | 89.3% |
| 2 | 2 | トヨタ カローラアクシオ | 2,605 | 4,898 | 82.2% |
| 3 | 3 | トヨタ ベルタ | 1,222 | 1,206 | 101.3% |
| 4 | 6 | 日産 ティーダラティオ | 899 | 3,501 | 122.1% |
| 5 | 4 | トヨタ プレミオ | 934 | 1,184 | 78.9% |

「トヨタ カローラフィールダー」のトップの座(これで41カ月連続)は安泰だが、2位には5月20日にモデルチェンジした「スバル レガシィツーリングワゴン」がランクアップ。シリーズ全体の発売後1カ月の受注も7000台を超え、月間販売目標3000台の2倍強と、まずまずの滑り出しとなっている。受注の内訳は、「B4」(セダン)32.5%、ツーリングワゴン50.5%、「アウトバック」17%で、ベーシックな2.5iが52.9%と一番人気。サイズアップに関しても、広さだけでなく、静粛性や質感の高さなどを評価する声が多いという。レガシィの売れ行きがどこまで伸びるか、期待したい。
| 今月 | 先月 | ステーションワゴン | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 1 | トヨタ カローラフィールダー | 2,282 | 2,688 | 84.9% |
| 2 | 3 | スバル レガシィツーリングワゴン | 614 | 1,595 | 169.1% |
| 3 | 2 | 日産 ウイングロード | 818 | 686 | 119.2% |
| 4 | 4 | ホンダ エアウェイブ | 451 | 568 | 79.4% |
| 5 | 5 | トヨタ サクシード | 265 | 311 | 85.2% |

プリウスに注目が集まるなか、2代目「ウィッシュ」も好調に売れている。モデルチェンジ月の4月は5556台だったが、5月は6428台で月間販売目標6000台をクリア。初代が人気モデルだったとはいえ、新型も出足順調だ。一方、前月は6位にランクダウンした「日産 セレナ」だが、5月は4392台で2位に返り咲き。ただ2008年度下半期(2008年10月〜2009年3月)、この部門トップとなった「ホンダ フリード」(3列シート仕様)は一時の勢いがなく、5月は5位に後退。5月21日に行った一部改良の影響もあるが、ホンダは人気のサイクルが短いモデルが多い印象があるだけに気になるところだ。
| 今月 | 先月 | ミニバン・1BOX | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 1 | トヨタ ウィッシュ | 6,428 | 5,556 | 115.7% |
| 2 | 6 | 日産 セレナ | 4,392 | 2,898 | 151.6% |
| 3 | 3 | トヨタ ヴォクシー | 3,606 | 3,690 | 97.7% |
| 4 | 7 | トヨタ ノア | 3,354 | 2,603 | 128.9% |
| 5 | 2 | ホンダ フリード(3列シート仕様) | 3,123 | 3,838 | 81.4% |

前月、「トヨタ ヴァンガード」に奪われたトップの座を「日産 エクストレイル」が奪還。前年同月比も122.7%と好調で、いち早くエコカー減税適合車種をラインナップしたことで、その追い風をうまくつかんだ形となった。また4月から販売が始まったレクサス RX450hも5月は4位にランクアップ。RXは350と450h合わせて月間販売目標650台だが、4月856台、5月1015台と目標をクリア。シリーズ全体では継続販売されている「ハリアー」を上回る勢いだ。特にRX450hはベースグレードでさえ570万円という高価格車だけに、ハイブリッドカーはいまや人気アイコンのひとつといえそうだ。
| 今月 | 先月 | クロカン・SUV | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 2 | 日産エクストレイル | 2,195 | 1,249 | 175.7% |
| 2 | 1 | トヨタヴァンガード | 1,072 | 1,263 | 84.9% |
| 3 | 3 | トヨタハリアー(ハイブリッド含む) | 992 | 922 | 107.6% |
| 4 | 5 | レクサスRX450h | 785 | 525 | 149.5% |
| 5 | 8 | 日産 デュアリス | 680 | 383 | 177.5% |

クーペ・オープン部門は全体で前年同月比59.6%、前年同期比51.3%と厳しい状況が続いているが、「日産 フェアレディZ」がトップに返り咲き、「ホンダ S2000」が2位と順位が大きく動いた。ただフェアレディZは6月に355馬力にチューンしたバージョンニスモを投入するなど、依然として元気だが、S2000は6月末をもって生産中止。去りゆくリアルオープンスポーツを惜しむ声が2位へのランクアップにつながったのだろう。現在、ホンダのS2000サイトで、S2000最終モデルが贈られるファイナルモデルキャンペーンを実施中。スポーツドライブ派は要チェックだ。
| 今月 | 先月 | クーペ・オープン | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 3 | 日産フェアレディZ | 274 | 159 | 172.3% |
| 2 | 4 | ホンダS2000 | 162 | 91 | 152.7% |
| 3 | 1 | マツダロードスター | 130 | 194 | 67.0% |
| 4 | 2 | マツダ RX-8 | 84 | 162 | 51.9% |
| 5 | 5 | 日産スカイラインクーペ | 78 | 59 | 132.2% |

エコカー減税+新車購入補助金制度で勢いを取り戻しつつある国内市場だが、やや“蚊帳の外”状態なのが軽乗用車。軽乗用車はもともとの税額が安く、新車購入補助金も5万/12.5万円と普通乗用車の半分のため、“お得感”が今一つで、なかなか下落傾向に歯止めがかからない状況だ。売れ筋ベスト5の顔ぶれも変動が少なく、5月の上位5車種の前年同月比/前年同期比はいずれもマイナス。回復まで、いましばらく時間がかかりそうだ。それでも「スズキ ワゴンR」は1万3736台と全乗用車中トップの売れ行き。ダイハツやホンダを含め、各社のテコ入れ策に注目したい。
| 今月 | 先月 | 軽自動車(商用車除く) | 21年5月 | 21年4月 | 前月比 |
| 1 | 1 | スズキ ワゴンR(ステングレー含む) | 13,736 | 12,926 | 106.3% |
| 2 | 2 | ダイハツ タント | 10,671 | 12,244 | 87.2% |
| 3 | 3 | ダイハツ ムーヴ(ラテ、コンテ除く) | 9,057 | 7,767 | 116.6% |
| 4 | 4 | ホンダ ライフ | 4,631 | 6,902 | 67.1% |
| 5 | 6 | ダイハツ ミラ | 4,488 | 3,819 | 117.5% |



