1989年のデビュー以来、世界累計85万台を生産(08年10月末時点)。「世界でもっとも売れている2シーター・オープンスポーツ」としてギネス認定も受けている、マツダ・ロードスター。その3代目となる現行モデルが、全方位にわたるビッグマイナーを受けた。
■ソフトトップ=ライトウェイト、RHT=プレミアム
外観の改良は、機能に基づいたデザイン進化と、ソフトトップとRHT(リトラクタブル・ハードトップ)の差別化がポイント。フロントマスクは、最近の“マツダ顔”である大型の5角形グリルを採用。前後バンパーやランプ類も新デザインとなる。またフロントバンパーの両コーナー下端やリヤコンビランプを張り出し形状にし、フロントタイヤディフレクター面積を拡大することで、見た目の躍動感を強めながら、Cd値もわずかではあるが0.01向上させている。デザインが一新されたアルミホイールは、16インチが5本スポーク、17インチが10本スポークで、BBS社製の鍛造17インチも用意。
RHTは、クロームメッキで縁取られたメッシュタイプのフロントグリルやクローム調のドアハンドル、クリアタイプのハイマウントストップランプなどを採用して、より上質な味わいに。ボディカラーは全8色(RHTは全7色)。ちなみにソフトトップはサンフラワーイエロー、RHTはアルミニウムメタリックがイメージカラーだ。
■質感&使い勝手を向上
質感アップが目立つ内装では、インパネ中央部にダークシルバーの装飾パネルを、空調ダイヤルにシルバー塗装のリングを採用。ドアのカップホルダーを出っ張りのない形状に変更して足元のゆとりを増している点は、背が高い(足が長い?)ユーザーには朗報だろう。またメッシュポケットの採用や、カップホルダーの仕切りを脱着式にするなど、細かい部分の使い勝手も向上している。
サイドの張り出しが増したシートは、VS RHTがハバナブラウンの本革、それ以外の全車がファブリックを標準で装備。他にもブラック本革やRECARO社製バケットシートを、オプションから選択できる。時代を反映した装備としては、新デザインの5連メーター内に平均燃費を表示する機能、iPodなどを接続するAUXジャック(VS RHTに標準)も採用された。
■車内に響くスポーツサウンド
内外装の改良だけで終わらないのが、ロードスターのロードスターたる所以。まず2リッター直4エンジンは、出力ピークを従来から300rpmアップの7000rpmに、レブリミットを500rpmアップの7500rpmにすることで、高回転域での“伸び感”をアップ(MT車)。この高回転化に伴って、鍛造クランクシャフトによる剛性向上やピストンのフルフロート化、MTも1-4速のトリプルコーンシンクロをカーボンコーティングし、3-4速のシンクロもサイズアップしている。
要チェックなのは、新開発の「インダクションサウンドエンハンサー(6速MT車に標準)」。このシステムは、エンジンに空気が流入する際に生じる吸気脈動を増幅させて、車内にエンジン音を響かせるというもの。これにより、高速での合流加速やヒール&トゥを行う場面などでは、今まで以上に小気味良いサウンドが耳に届くはずだ。ドライバーのアクセルONに連動するため、巡行時や減速時にはサウンドは控えめとなる。
■6速ATにダイレクトモードとAASを採用
6速ATには、2つの新しい制御システムが追加された。ひとつは「ダイレクトモード(VS RHTに標準)」。ステアリングに備わるシフトスイッチは従来まではMモードに切り替えないと変速ができなかったが、今回からはDレンジのままで変速ができるようになった。もうひとつは、「AAS(アクティブ・アダプティブ・シフト、6速AT全車)」。これは道路状況やドライバーのペダル操作からスポーティ走行だと判断したときに、積極的に自動シフトアップ/ダウンを行うものだ。
走りの進化はさらに続き、フロントのロールセンター高を26mm低めて、コーナー外輪の上下荷重変動を抑制。前:ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンクのサスペンション最適化も相まって、より自然なロール感や正確なライントレース性を実現したという。新しいロードスターには、“人馬一体”の楽しさが今まで以上に詰め込まれていると言えよう。
※最後の写真は、左から2代目ロードスター、3代目ロードスター(MC前)、3代目ロードスター(新型)、初代ロードスター。