フロント&リアは新しいTTの面影もあるが、極端に前進したキャビンによってルーフラインがルマンカーのような後方が長い形状になるなど、ミッドシップレイアウトの特徴は見逃せない。曲線形状のルーフは液体の圧力を使ったハイドロフォーミングで成形され、Aピラーも視界を妨げないように細身になっている。ドア後方のサイドブレードは塗装色とカラーコーディネイトされるが、オプションでカーボンやシルバー調なども選べる。
サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで19インチホイールも装着可能。バネ下重量軽減のため、全てのサスペンションアーム類は鍛造アルミで構成されされている。TTも採用した流体磁性体で減衰力を可変するアウディ マグネティックライドがオプション。ドリルドベンチレーテッドディスク径はフロントが380mm、リアが356mm。標準でも前が8ピストン、後が4ピストンで、センターをアルミ構造とすることで1枚あたり2kg軽量になっているという。911同様、20kg軽量で30万kmまで交換不要の、より強力なセラミックブレーキも選択できる。
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新たなスポーツカーの誕生
試乗を終えてR8から降り、改めて眺める。何にも似ていないフォルムを纏って静かに、しかし堂々と佇むその様を見て、僕は想った。「新たな価値のスポーツカーが誕生した」と。 その理由はR8の極めて高い独自性にある。成り立ちからメカニズムまで、アウディの最新技術で独創。この結果、総アルミボディのV8ミッドシップ4WDスポーツという、極めて希有な構成の1台となった。これを近年評判の高いアウディ・デザインを集約した先進のスタイリングで包み込んでいる。 ミッドシップはキャビン・フォワードとなるため、他のミッドシップマシンに似た形になりがちだが、R8は確実にオリジナリティがある上に、誰が見てもひと目でアウディと分かる存在感も構築している。そしてもちろん、独創的なメカニズムから生まれる走りそのものに、他と明らかに異なる新しさがあるのだ。 驚いたのは乗り心地の良さで、フロントに235/35ZR19、リアに295/30ZR19という大径タイヤを装着し、ホイールハウスとタイヤの隙間は極小にも関わらず、実にフラットでしなやかな乗り心地を提供する。つまりこの手のスポーツカーとしては希有な、デイリーユースも厭わぬ高いコンフォート性をもっている。それにも関わらず、R8はこの後に記す驚愕の運動性能を備えていたのである。 つまり、R8は見た目も中身も走も、全てが新しいスポーツカーだったのだ。
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