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試乗レポート   【海外試乗】

ポルシェ
カイエン ターボ &
カイエン ハイブリッド

レポート:岡崎五朗
写真:ポルシェジャパン
試乗ステージ:ドイツ・ヴァイザッハ

ポルシェ カイエン ターボ & カイエン ハイブリッド
ポルシェ カイエン ターボ & カイエン ハイブリッド

トヨタがハリアー・ハイブリッドで先鞭をつけた高級SUVへのハイブリッドシステムの搭載。そう遠くない未来には、カイエンに加えて、VW・トゥアレグ、アウディ・Q7、そしてBMW・X3などにもハイブリッド搭載モデルが登場し、ハイブリッドを巡る世界的な競争が激化しそうだ。またシビック・ハイブリッド以降、他モデルへの展開が進まないホンダの動向も気になるところ。

クルマ好きの不安を和らげる処方箋

 サスティナブル・ディベロップメント。原始的な社会に戻るのではなく、環境を大切にしながらも成長を続けていくこと。環境社会におけるこの基本的行動指針にクルマを当てはめたらどうなるか? シンプルに言えば「燃費を向上させながら、より快適に、より速く、より楽しく」となるだろう。もちろん「より速く」なんてものはもう必要ないよ、という意見もあるだろうし、理解もできる。ただ、本質論において人間とは本能的に移動を欲するものであり、速度は移動の質そのもの。移動の速さは本能が求めるものとも考えられる。理性がどう判断するかは別として。

 とくにポルシェのようなメーカーにとって、あるいはドイツ車にとって、速さを放棄することは自らの優位性を捨て去ることを意味する。では、カイエン・ハイブリッドはクルマ社会におけるサスティナブル・ディベロップメント、すなわちサスティナブル・モビリティを具現化するための切り札となるのだろうか…?

 答えはまだ、見えてはいない。しかし、トヨタ以外がまだ完全にモノにしていない、それどころか多くのメーカーがいまだ市販の目処すら立てられていないハイブリッド車を、ポルシェのようなメーカーがいまこの時期に発表してきたのは朗報だ。ファン・トゥ・ドライブはもう諦めなくてはならないのか…そんなクルマ好きの不安を和らげるひとつの処方箋として、カイエン・ハイブリッドの存在価値は決して小さくない。

 ハイブリッドだけでなく、今後ポルシェはフラット6エンジンの直噴化や、トルコンより効率のいい2ペダルギアボックスの採用を予定している。しかし僕の目下の最大の興味は、ポルシェがカイエン・ハイブリッドにどんな価格を付けてくるかにある。価格に関しては完全ノーコメントと断りを入れつつ「しかしV6の2台分にはならない」というのが現在の公式コメント。もしポルシェが、ブランディングの一環としてハイブリッドをとりあえずラインナップするという腹づもりなら、価格は当然高くなるだろう。しかし、彼らが本気でサスティナブル・モビリティを模索しているならば、V8モデル以下の価格に抑え量販を狙ってくるはずだ。どう転ぶかはまだちょっと予想が付かないが、僕としては後者を望むし、そうなってこそ「パフォーマンスに価格を付ける」というポルシェのポリシーも曲げずに済むと思うのだ。

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