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トヨタ ランドクルーザー100 vs フォード エクスプローラー
トヨタ ランドクルーザー100
トヨタ ランドクルーザー100 トヨタ ランドクルーザー100 トヨタ ランドクルーザー100
下野康史★★★★☆

 4台のなかでも、自動車ドロボーに一番人気なのがランクルだ。知り合いにも買ったばかりの新車を駐車場で盗られてしまった人がいる。幸い車両保険に入っていたので、金銭的には保証されたが、保険金でまた同じランクル100を買い直した。好きな人には、余人をもって代え難いクルマなのである。

 明るいアイボリーの内装色のおかげで、試乗車の室内は華やいだ雰囲気だった。なにしろオプション込みだと600万円を超すクルマだから、高級感もあって当然だ。

 だが、あらためて輸入車と並べてみると、外見はかなり武骨である。カイエンやディスカバリー3のような統一感はない。よく言えば、カッコをつけていない。質実剛健。実際、アメリカ直輸入のSUVという言葉が、ランクルほど似合わないクルマもない。見た目も実力も、敬意をもって“ヨンク”と呼びたくなる頼もしさが、ランクル100の価値だと思う。流行りモノじゃないのだ。

生方聡★★★☆☆

 たとえフロントグリルのエンブレムがなくても、トヨタの高級SUVとわかるフロントマスクのランドクルーザー100。落ち着いた顔つきに、奇をてらわないボクシーなフォルムなど、嫌みのないデザインは、冠婚葬祭すべてOKのオールマイティさを誇っている。

 インテリアも、トヨタの高級乗用車らしい雰囲気が漂っている。いつもの“オプティトロンメーター”に、ウッドが奢られたステアリングホイールやパネル、レザーシートなど、緻密に、上品に仕上げられているのだ。その一方で、無難で退屈にまとまってしまっているのもトヨタ流で、冒険を好まないSUVユーザーには受け入れられやすいだろう。

 “いつかはクラウン”の世代にアピールするにはいいかもしれないが、個性的なスタイルのプレミアムSUVが海外から攻め込むいまの日本では、時代遅れという印象は否めない。

フォード エクスプローラー
フォード エクスプローラー フォード エクスプローラー フォード エクスプローラー
下野康史★★★☆☆

 アメリカでいちばん売れているSUVがエクスプローラーである。未曾有の原油高で、さすがにいまの見方は違うだろうが、1リッター30円だったひと昔前までは、日本で言うと日産マーチみたいな気軽さでアメリカ人に買われ、乗られていた。

 4リッターのV6もあるが、試乗車は4.6リッターのV8。最近のマイナーチェンジで登場した新しいSOHCユニットである。「トルクあるんだから、何段もいらないでしょ」という方針できたATも新しくなり、一挙に6速へアップデートした。

 かと思うと、一見、ワルそうな流行りの大径メッキホイールは、ホイールキャップだった。左リアドアのパワーウィンドウスイッチを囲むフェイクのウッドパネルは、早くもめくれあがっていた。そんなふうに、“やってくれちゃうところ”は相変わらずのアメリカ車だ。ロングコートチワワ大人気の日本にあって、気立てのいい(ちょっとマヌケな)大型犬的キャラクターを“魅力”と捉えることができる人のクルマである。

生方聡★★★★☆

 2005年11月に発売された新型エクスプローラー、てっきりフルモデルチェンジと思っていたら、ビッグマイナーチェンジと知り驚いてしまった。それほど大胆に変身したのだ。

 なかでも、エクスプローラーのフロントマスクには存在感がある。最近、クロームメッキで飾られた大型のラジエターグリルをよく見かけるが、アピール度という意味ではこのエクスプローラーがナンバーワンかもしれない。

 一方、ボディサイドのデザインは、マイナーチェンジ前の雰囲気が色濃く残るが、アメリカンSUVらしい堂々とした印象を与えるには十分である。

 室内は、フロントマスクのイメージを受け継ぎ、メータークラスターやエアの吹き出し口にクロームメッキのパーツが施される。センターパネルにはウッドパネルを配しているが、それでも高級路線というよりもカジュアルな感じが強い。グラブボックスまわりのプラスチックの質感が多少低いのが気にはなるものの、SUVとして見れば上手くまとまっていると思う。

ポルシェ カイエン
ポルシェ カイエン ポルシェ カイエン ポルシェ カイエン
下野康史★★★★★

 4台のなかでカイエンだけが600万円を超す。ポルシェ・ジャパンの戦略もあって、日本では常に品薄の状態だから、値引きも期待薄だろう。

 だが、重いドアを開けて、室内に乗り込むや、すぐに感じるのはライバルを寄せつけない品質感の高さである。ダッシュボードやシートのつくり込みに始まって、ATセレクター、ステアリングホイールといった操作部品の高級感、そのほか、見るからに頑丈そうなペダル類といい、いかにも精度の高そうなイグニッションキーのタッチといい、さすがドイツ物、さすがポルシェとウナらせる“ありがたみ”が随所にある。

 3.2リッターV6の素のカイエンは、たしかにシリーズで最も安いが、けっして廉価版としてつくられているわけではない。その事情は、ただのボクスターと、ボクスターSとの関係と同じである。そう考えると、道を選ばないフルタイム4WDで、5人乗れて荷物もたくさん詰めるスタンダード・カイエンの676万円はむしろお買い得に思える。

生方聡★★★★☆

 ポルシェ初の4ドアモデルでもあるカイエンは、SUVである以前にポルシェの一員であることを強く主張するエクステリアを身に纏う。フロントマスクは、タイプ996の911やタイプ986のボクスターと共通のイメージを持ち、もしこれで車高が低かったら、なかなかスポーティなステーションワゴンになりそうな雰囲気である。4枚のドアは、共同開発のVWトゥアレグと共通のはずなのに、全体のフォルムはどこから見てもポルシェというのが、このクルマの人気を支える一因だ。

 インテリアも、トゥアレグとはまるで印象の違うスポーティなデザインで、たとえば、ステアリングホイールに配置されたシフトスイッチなどには他のモデルとの共通性がうかがえる。ただ、エア吹き出し口のダイヤルやスイッチ類のプラスチック、ダッシュボードの素材などに高級感が足りないが残念。現行の他のラインアップと同じくらいのレベルに引き上げてほしいものだ。

ランドローバー ディスカバリー3
ランドローバー ディスカバリー3 ランドローバー ディスカバリー3 ランドローバー ディスカバリー3
下野康史★★★★☆

 プアマンズ・レンジローバー的な曇ったイメージからめでたく脱却した3代目ディスカバリー。カッコは好みとはいえ、個人的には数あるSUVのなかでもいちばんカッコイイと思う。クラムシェル・ボンネットやキックアップ・ルーフなど、ディスカバリーのアイコンを受け継ぎながら、しかしすっかり新しい。前を向いた21世紀のオフロード四駆デザインである。認定取得時期の関係で、レンジローバー系には備わる死ぬほどみっともないフロントの補助ミラーが、ディスカバリー3には付いていないのもうれしい。

 フォードの4リッターV6を積む“S”は500万円台で買えるシリーズ最廉価版。ジャガー・エンジンでレザーインテリアのHSEと比べると、見ても乗っても200万円近い差は小さくないと思わせるが、そのかわり、気楽に乗り倒せるカジュアル感覚がSの真骨頂といえる。本来、ランドローバーというクルマは、ガンガン使ってこその実用四駆オフローダーだろう。そんな印象もあって、今回のメンツではいちばん若向きな感じがした。

生方聡★★★★★

 旧型に比べたらカドが取れたとはいえ、直線的なデザインが特徴なのが、ディスカバリー3のエクステリアだ。それだけに、下手をすると素っ気ないフォルムになってしまうが、このディスカバリー3は、フロントグリルやヘッドランプあたりに、レンジローバーのイメージを取り入れてモダーンな感じを演出する一方、段階的にルーフが高くなる“ステップド・ルーフ”や切り詰められたオーバーハングといった機能性最優先のデザインで、スマートにまとめ上げられている。

 同じことがインテリアにもいえるわけで、SUVといっても乗用車ライクのデザインが多いなか、このディスカバリー3は乗用車とは明らかに違う、ある意味SUVらしいデザインとしながらも、無機質さや汗臭さとは無縁の、洗練された雰囲気をつくりあげている。加えて、パネル類の質感は高く、また、ファブリックのシートにも安っぽさがない。機能性と居心地の良さを上手に両立させたといえる仕上がりなのだ。

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SPEC トヨタ ランドクルーザー100
VXリミテッド Gセレクション
フォード エクスプローラー
リミテッド
ポルシェ カイエン ランドローバー
ディスカバリー3 S
全長【o】
4,8904,9304,8004,850
全幅【o】
1,9401,8701,9501,920
全高【o】
1,8901,8351,7001,890
ホイールベース【o】
2,8502,8902,8552,885
最低地上高【o】
220205217215
車量【kg】
2,4302,2402,2702,470
駆動方式
フルタイム4WDフルタイム4WDフルタイム4WDフルタイム4WD
エンジン
V8DOHCV8SOHCV6DOHCV6SOHC
排気量【cc】
4,6634,6003,1884,009
最高出力【ps(kW)/rpm】
235(173)/4,800296(218)/5,750250(184)/6,000215(160)/4,500
最大トルク【kg-m(Nm)/rpm】
43.0(422)/3,60041.5(407)/4,00031.6(310)/2,500-5,50036.7(360)/3,000
トランスミッション
5速AT6速AT6速AT6速AT
副変速機
センターデフロック
使用燃料
無鉛プレミアム無鉛レギュラー無鉛プレミアム無鉛プレミアム
10.15モード燃費【km/L】
6.57.36.96.2
タイヤサイズ
275/65R17245/65R17235/65R17235/70R17
ハンドル位置
価格
495万6,000円580万円676万円568万円
乗車定員【名】
8 6 5 7
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