北米にレクサスが登場して17年、今やその成功は北米自動車業界の伝説となり、レクサスはプレミアムブランドとして完全に受け入れられた。だが、レクサスが目指すゴールはその遥か先、他ならぬ欧州で認められることにある。彼の地で、ベンツ・BMW・アウディと肩を並べる真のブランドになることこそ、トヨタの悲願であるはずだ。
2006年9月19日、ついにレクサスモデルレンジの頂点となるLSが発売された。セルシオの全幅をはるかに上回る1875mmの全幅や、もう少しで3mに達する2970mmのホイールベースなど、スペックでドイツのライバルとイーブンの土俵に上がったことからも、LSが言い訳のできない勝負に出たことは明白。トヨタが長年築き上げ、レクサスで仕上げたモノづくりの集大成が、ブランド力をかけて真っ向勝負を挑む。
とはいえ、ブランドが単にハード性能の高さや、仕上げの精緻さや、素材の高級さだけで完成するはずもない。そのスタートラインに立つために、まずはオリジナリティとプライドが試され、その後には、歴史と伝統による熟成という、さらに高いハードルが待ちかまえる。一朝一夕ではかすりもしない神の領域に君臨すること自体が、プレミアムブランドの価値である…トヨタもそこは痛いほど解っているはずだ。
今回集まったモデルは、BMW 760Li、アウディ A8 3.2FSI クワトロ、ジャガー XJ 3.0 エグゼクティブ、そしてレクサス LS460 バージョンSの4台。都合によりメルセデスが揃わなかったものの、ドイツの2強と、英国のジャガーという組み合わせは、堂々たる世界のプレミアムサルーンの頂点の一角を成す。国産セダン不振が続いて久しいが、皮肉なことに輸入セダンは安泰で、そのキーワードが他ならぬブランド力にあることは誰の目にも明か。欧州で羨望の的となる国産セダンの開発なくして、日本のセダン人気の復活などあり得ないだろう。3人の評論家はレクサス LSのブランド力をどう見るのか、とくと御覧頂きたい。