国産SUVが面白いことになってきた。SUVをおさらいすると“オフロード走破性と乗用車的使い勝手を両立したクルマ”ということになるが、このカテゴリーの曖昧さが功を奏して、メーカーの開発コンセプトが多様化し、個性的なモデルが増えているのだ。ごく最近登場したホンダのクロスロードも、SUVというカテゴリーが、まだまだ新たなジャンルを生み出す可能性を秘めていることを証明してくれたばかりだ。
ピックアップトラックを元祖に北米で発達したSUVは、今では本格的な4WDのクロスカントリーモデルから、シティユース性能に特化してFFもラインナップするライトクロカン、さらにはスポーツカー並のオンロード性能をもつオンロードSUVまで千差万別だ。ミニバンほどファミリー色に染まらず、スポーツカーより実用性もあり、セダンが走れない道を行くSUVは、国産乗用車販売の30%を売り上げる人気ジャンルでもある。
今回集まったのは、冬から春にかけて登場した3台。ライトクロカンの元祖CR-Vは北米を中心に世界的に人気を集め、3代目も使い勝手やラグジュアリーなムードに磨きをかけた正常進化を果たした。CX-7はX5やカイエンといったドイツの高速オンロードSUVに対する、世界最大級の量産スポーツカーメーカーを自負するマツダの解答と言うべきモデル。一方、パジェロを擁する三菱は3列ミニバンにオフロードモデルのキャラクターを与えたデリカD:5で、オンロード指向を強めるSUVマーケットに一石を投じてきた。
軽自動車やコンパクトカーが売れ行きをのばす時代に、この3台は人気グレードでカーナビを装備すると、軒並み300万円台前半に乗ってしまう。しかし、これは実用一辺倒でなく積極的にクルマを楽しみたいユーザーの多くにとって、極めて現実的なプライスタグでもあるはずだ。別の見方をすれば、多様なモデルから選べる今、SUVは旬を迎えているとも言える。最新モデル3台を乗り比べ、国産SUVの実力と魅力に迫った。