2010年3月5日(金)
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トヨタ豊田社長、「成功体験を捨て」再出発を宣言

 [豊田(愛知県) 5日 ロイター] トヨタ自動車<7203.T>は5日、一連のリコール(回収・無償修理)問題について従業員や販売店などを集めた説明会を愛知県豊田市の本社で開催し、豊田章男社長ら幹部が米議会公聴会などについて報告した。

 
豊田社長は「公聴会に出席した2月24日をトヨタ再出発の日とし、これまでの成功体験を捨ててもう一度尊敬されるトヨタを目指して一歩ずつがんばろう」と呼びかけた。

 
午前11時から本社ビルに隣接するホールで開催された説明会では、ジム・レンツ米国トヨタ販売社長、稲葉・北米トヨタ社長、品質保証担当の佐々木眞一副社長、技術・商品企画担当の内山田竹志副社長、豊田社長が順にそれぞれ約5分ずつ報告。部長級の従業員を中心に総勢2000人が立ったままの姿勢で耳を傾けた。

 
<公聴会で安全への疑念払っしょくとはいえず>

 
稲葉・北米トヨタ社長は「公聴会でトヨタ車の安全について完全に疑惑を払しょくしたとはいえない」と指摘。顧客の意見に対して速やかに対応できるよう、北米の組織や仕事のあり方を見直す、とし、「より強じんなトヨタを再生するため、今後も努力する」と抱負を述べた。

 
佐々木副社長は、公聴会で「安全よりも利益優先など非常に厳しい質問をされ、身の引き締まる思い。正直言ってどきどきした」と吐露し、「米国などで顧客からの不具合についての申し出を1件1件調査・解析できていたか反省点がある」とした。

 
内山田副社長は「一連の問題騒ぎでトヨタブランドは大変な危機にあり、真摯に対応する必要がある」と強調。トヨタは「問題点が明らかになれば対処はできるが、顧客の苦情の具体的な把握がしっかりできていなかった」、「問題発生時の対応にも改善の余地がある」と話した。

 
北米でのアクセルペダルの不具合が、複合的な条件で発生する問題であった点などを踏まえ、部品の単品の試験で業務を完結するのでなく、部品の車両内での使われ方を検証し、必要な場合に再設計するような設計プロセスの改良を提唱した。そのため、実車での試乗試験を強化する必要があるとして、専門チームを作る方針を示した。

 
<豊田社長、再び涙>

 
豊田社長は、米国で「テレビや新聞が繰り返しトヨタを批判し、毎日メディアに追い回され、心細い気分だった」と心境を話した。公聴会や米工場で現地従業員やディーラーらに激励されたことに触れ、「公聴会で上手に回答することよりも、米トヨタの従業員や顧客をどう守るかが最重要事だったが、守られているのは私だと知った」と述べ、目頭を熱くし声を詰まらせ、カメラマンら報道陣がホール前方に殺到する場面もあった。

 
(ロイター日本語ニュース 竹本能文記者)

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