なにせイタリア生まれ
イタリアでは女も男も服も鞄も家具も建築も街も、みんな美しいこと、カッコイイことが最大の正義だといって間違いにはなるまい。当然のごとく自動車もそう。なかでも特にフェラーリとアルファ・ロメオはその昔から、カッコイイことが義務づけられてきたかのようなブランドで、もちろん現在もそうである。だからアルファの新しいスポーツモデルとして世に出たブレラも、スタイリッシュであることが運命づけられたクルマだった。そこでその創造主に選ばれたのが、かのジョルジェット・ジウジアーロだった。かつてベルトーネに在籍していた若かりし頃、60年代の名車として今も多くのファンを持つジュリア・スプリントGTをデザインし、後にアルファ・ロメオ初のFF傑作小型車たるアルファスッドも手掛けたことでアルファとの縁浅からぬモダンデザインの巨匠は、今回もその期待にソツなく、見事に応えたといっていい。アルファの盾をモチーフにしつつも、そこからややつり目の3眼式ヘッドライトが左右に力強く広がるぐっとモダンな表情を与えられた、フェイスリフト以降の156で確立されたシャープなフロントに始まり、それとはやや対照的に肉感的な丸っこさが目につくリアで終わるブレラのスタイリングは、美しくてカッコイイ、の範疇に間違いなく入っているといってよかろう。「巨匠、やっぱりやるじゃないか!」というのが僕の率直な印象である。
しかもブレラは、単にカッコイイだけのアルファではない。GMのコンポーネンツを効果的に使ってアルファ・ロメオ独自のスペックを創り上げたプレミアムプラットフォームや、同じくGM用のブロックをベースに用いながらアルファ仕様のヘッドデザインを組み合わせてアルファ・ロメオのエンジンとして仕上げられたパワーユニットなど、これまでのアルファよりも明らかに強靭な骨格がその美しいボディの内側に隠されている。単にルックスがいいだけでなく、知的な頭脳と研ぎ澄まされた肉体を併せ持った伊達男、といった風情が新世代のアルファクーペたるブレラには備わっているのだ。











