全身まるごと一新
ムーヴが生まれ変わった。それは現行型から新型への生まれ変わりという意味だけではない。軽自動車人気をそろって牽引してきた最大のライバル、スズキ・ワゴンRを意識し続けた過去のイメージを払拭し、キャラクター、実力ともに生まれ変わったと感じさせてくれたのである。
初代ムーヴが1995年に誕生した時、すでに2年前にデビューしたワゴンRは大ヒット作となっていた。両者の特徴である背が高く四角張ったデザインは、ハイトワゴン・タイプとしていつしか軽自動車の主流になった。それゆえ二大巨頭は常に比較対象となり、後発の宿命とも言うべき追い付き追い越せ的なイメージは、その後3代にわたってムーヴに付きまとってきたのである。
そのムーヴの変身ぶりは、細部を見るまでもなく“顔に書いてある”かのようだ。従来どおり、新型にもムーヴとムーヴカスタムの2バリエーションがある。フレンドリーキャラを受け継ぐムーヴは、曲線を活かしたやわらかな印象のフロントグリルといい、丸みを帯びた花びらのようなボンネットといい、これまでの直線的な箱型からは想像もつかない、なんとも豊かな表情をたたえている。Aピラーから伸びるラインはスムーズにリアエンドまで流れ込み、ドッシリ感と軽やかさが同居するという、これまでにない斬新なニュー・モノフォルムを描く。これはエスティマに代表される最新ミニバンのモノフォルムを彷佛させ、今では軽自動車市場にあふれるハイトワゴンタイプのライバルたちを、上質感や洗練度で一歩も二歩もリードした感じだ。
一方ムーヴカスタムは、同じくニュー・モノフォルムといえどもスポーティさと迫力が前面に出され、ヘッドライト形状、グリル、バンパーとも専用のデザイン。左右の大型フォグランプもカスタムのみに標準装備され、クールで力強い印象を十分に醸し出す。ムーヴユーザーの大半はこちらのカスタムを選ぶそうだが、さすが元祖「ちょいワル系」だけあって、ツボを押さえて勝負に出た感じだ。











