現代に蘇ったアメリカンマッスル
マスタングGTに初めて乗ったのは、去年の1月、デトロイトショーの翌日のことだった。フォードのお膝元であるディアボーンは、まだクリスマスの飾りが残る家々と、ところどころにスノーマンが立っている、そんな典型的なアメリカのサバーバンの暮らしぶりが垣間見える街だ。フォードのヘッドクォーターでマスタングGTを借り出して、ほど近くにあるフォード博物館へ向かうと、アメリカでもまだ2004年にデビューしたばかりのマスタングは人々の注目を集めていた。フォード社の敷地に隣接する自動車の殿堂の裏手をのぞくと、創業者のヘンリー・フォードの時代に建てられて、その後も長年にわたってエンジニアリングの研究に使われたという時代がかった建物が垣間見えた。1964年に発売された初代マスタングも、もしかしたらここで開発されたのかも、なんて金網越しに思いを馳せたのも、いい思い出だ。
借り出す前には、こんな雪と氷の街で304psのパワーと44.2kg-mものビッグトルクを発揮する4.6リッターユニットを振り回すのはためらわれたけれど、いざ、マスタングGTを大陸的なアメリカの道を走らせると、とてもしっくりくるから不思議だ。NBAのゲームを見るために、60kmほど北に位置するオーボンヒルズまでドライブしたのだけれど、全長×全幅×全高=4765×1880×1385mmというサイズは、アメリカの道では思いのほか取り回しがよく、ハイウェイでの追い越し加速の必要性を考えると、パワーももてあますことはなかった。











