トヨタの本音、マーケットの現実
現行の2代目プリウスはフルチェンジからもうすぐ3年が経つというのに、アメリカでも日本国内でも生産が追いつかない人気だという。それに対して、グレードのひとつとして用意されるプリウス以外のトヨタ・ハイブリッド……具体的にいえば、エスティマ、アルファード、ハリアー、レクサスGSの各ハイブリッドが大人気という話は、正直なところあまり聞かない。まあ、今年3月に発売されたばかりのレクサスGS450hこそ、販売予定がわずか月間150台ということもあって現時点では少し待たされるらしいが、3年後にどうかはもちろん分からない。初代プリウスに続いて発売されたエスティマの初代ハイブリッド(国内販売のみ)は、2001年夏から05年末まで4年半で累計販売は約3万台だというから、単純計算で月間の平均販売台数は500〜600台といったところ。月間1万台超えも珍しくなかったエスティマ・シリーズの中では、さほど目立った数字とはいえない。つまり、いくらトヨタとはいえ、現時点では「ハイブリッドが売れている」というより「プリウス(だけ)が売れている」といった表現のほうが正しい。
しかしながら、90年代のハイブリッド計画スタート当初から、トヨタはハイブリッドをプリウス専用の飛び道具と位置づけてはいなかった。実際、トヨタのハイブリッドは最初から、初代プリウスに採用された小型車用システムと、エスティマや後のアルファードに採用された(CVT付きの)大型車用システムの2本立て進められてきたのだという。エンジニアの方々もことあるごとに「ハイブリッドはもともと燃費のよくない大型RVでこそ効果的」と語っており、カローラの燃費を2倍にする(=プリウス)より、ミニバンやSUVの燃費を1.5倍にしたほうが、ミニバン全盛の今の日本では特に、トータルとしての省エネ(=CO2排出削減)効果は大きい……という論理も成立する。
しかし、世の中というのはそうした正論やトヨタの皮算用のとおりに動くものでもない。ハイブリッドという高効率システムでせっかく得られた余裕をパワー方面に振り分けるハリアーやレクサスは、われわれ外野から見ればある意味で「ハイブリッド普及のための苦肉の策」といえなくもない。また、今回の新型エスティマ・ハイブリッドも月間販売目標700台(エスティマ全体は月間7000台)とその数値はじつに控えめ。ハイブリッドにかけたコストや期待度を考えれば、すでにエスティマ全体の半分にあたる3500台はハイブリッドでもバチは当たらない……がトヨタの本音なのではないか!?











