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試乗レポート   【 海外試乗 】

フィアット
500

レポート:河口まなぶ
写真:フィアットグループ オートモビルズジャパン
試乗ステージ:イタリア郊外

【 1.2 8v Fire 】

全長×全幅×全高=3546mm×1627mm×1488mm、ホイールベース=2300mm、車重=865kg、駆動方式=FF、エンジン=1.2リッター直4SOHC [69kW(51ps)/5500rpm、102Nm(10.4kg-m)/3000rpm]、トランスミッション=5速MT/5速シーケンシャル ※データは全て欧州仕様です(本文、キャプションも含む)。

フィアット 500
フィアット 500

50年前にデザインされたオリジナルに比して、よりシンプルな線とグラマラスな面を用いた現代的アレンジで、クロームを要所に配しながら、レトロクラシックかつプレミアムなムードを演出する手法は、MINIに通じるものがある。ムルティプラをデザインしたフィアットスタイリングセンターのロベルト・ジョリートがデザインしたというのも面白い。フォグランプは欧州仕様では全グレードにオプション。

フィアット 500

リアバンパーへのクローム類のインサート手法なども時流に乗ったもの。リアガラス上にはわずかにキックしたスポイラーも見える。CD値は0.325。

レトロモダンの風に乗れ!

 とても厳しい状態からフィアットが立ち直った感があるのは、現在のマルキオンネ体制になってから。特に氏が就任して以降のプロダクト「グランデ・プント」は堅調。僕自信、デザイン/走りともにこのクラスの頂点に位置する仕上がりだと試乗して感じた。

 そこでふと考えたのが、フィアットはグランデ・プントでひとつの確信を得たのではないか? と。グランデ・プントは当然新世代モデルだが、デザインはどちらかといえばクラシカルなモチーフを用いて消費者の感情に訴える部分が多い。むしろこちらの方がグランデ・プント以前のフィアットのプロダクトにあった、いかにも新世代かつグローバルです的な理路整然としたモデル(ニュー・パンダですらその部類だ)よりずっとユーザーの情感をくすぐる…と、フィアットも僕と同じように考えたなら、当然この路線を強調すべきと判断するはずだ。

 しかも都合が良いことに、既にショーで発表した往年のフィアット500を彷彿とさせる「トレピウーノ」が大反響を呼んだわけで…とつながる。さらにダメ押しは、ニュービートルを皮切りにニューミニやマスタングなど、時代には「レトロモダン」の風が吹いている。こうして見ると、低下したブランド・イメージや価値をアップすると同時に、再び大きな存在感を示すための格好の状況が出来上がった、と見ることができる。しかも元来個性が際立つ欧州小型車の中で、群を抜くほど存在を際立たせるなら…と考えた時、イタリアのアイドルの復活はこれ以上ない「切り札」だ。

 もっともこれは僕の「後づけ」観測だけど、ま、それはそれとて新型チンクエチェントは見事復活を果たし、予想通り大反響。トリノのお祭り騒ぎは当然世界に飛び火した。しかも日本はルパン3世のおかげか、先代チンクエチェントが数多く生息し愛でられる国。ならば騒ぎも当然大きい、というわけだ。じゃあ、 実際に乗ってどうか? は次のページで。

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