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試乗レポート   

ホンダ
フィット プロトタイプ

レポート:河口まなぶ
写真:本田技研工業
試乗ステージ:北海道・鷹栖テストコース

ホンダ フィット
ホンダ フィット

ラゲッジスペースの使い勝手のよさは、新型フィットのウリのひとつ。床面のボードを持ち上げて、上段をネット、下段を床下収納として使い分けたり、ボードを開け放って背の高い荷物を積んだりもできる。床下を含めたラゲッジ容量は427リットル。

ホンダ フィット

エアウェイブで味をしめた(?)スカイルーフを、電動サンシェードとセットでオプション設定。広くなった三角窓や鏡面を増やしたドアミラーなどの採用で、運転のしやすさに直結する視界のよさも格段に向上した。

ホンダ、恐るべし

 フィット最大のウリであるユーティリティの高さも、「さすが!」だ。ドリンクホルダーはそんなにいっぱい作らなくても!と思うほどで、10箇所もある。その上、単に数を増やすだけでなく、シフトゲート前のそれは、仕切りを設けて小物を賢く収納する技も持つ。またセンタータンク・レイアウトゆえのチップアップ式リアシートは先代より簡単に扱えるワンタッチ式とした他、ラゲッジに与えたフレキシブルラゲッジボードによる荷室の4変化は、思わず膝を叩く。これらはほんとに「よく考えたなー」と感心しきり。まさにカユいとこに手が届くユーティリティでライバルをブッちぎる。またエアウェイブで好評のスカイルーフも備えるなど、エンタメ的要素も忘れない。さらに視界のよさも革新し、取り回しも先代に負けない。この辺りの熟成と仕上げには執念を感じるほどで、まさに「ホンダ、恐るべし」だ。

 見た目も中身も完全に先代を凌駕した新型フィット。それだけに残された使命はただひとつ、つまりは販売で先代を上回れるかだ。この辺りを考察するなら、受け入れ側である我々ユーザーの志向(最大公約数的なもの)が01年当時とどれだけ変わったか?ということが密接に関わると思う。つまり01年当時、初代フィットはそれまでのコンパクトカーの概念を覆すスペースおよびユーティリティと燃費のよさでウケた、と僕は読む。が、時間とともにライバルもそこに追いつき、逆に今やライバルは個性の強さをアピールする時代に突入した感もある(例えばデミオ)。そんな中で新型フィットの提示する「以前より良くなりました感」がどれだけユーザーのハートを掴むか?

 もちろん新型フィットに個性がないわけではない。が、先代からの順当かつまっとうな成長は、ハードウェアとしての進化と素晴らしさを存分に感じさせる一方、果たして新しく見えるか?個性が強く見えるか?という問いに対しては少しばかり心配がないわけではない。もっともそれほど急に我々ユーザーの多くが個性に走る…とは思えないから、しっかりと台数は確保するだろう。事実、先代の保有台数は90万台近くあるわけで…。その意味では新型フィット、コンパクトカーユーザーの“今の気分”を数値で表すはず。そう考えると余計に、今後の販売の推移から目が離せない1台でもある。

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