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試乗レポート   【 海外試乗 】

マセラティ
グラントゥーリズモ

レポート:吉田 匠
写真:コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
試乗ステージ:イタリア・ドロミテ周辺

【 グラントゥーリズモ 】

全長×全幅×全高=4884mm×1847mm×1353mm、ホイールベース=2942mm、車重=1880kg、駆動方式=FR、エンジン=V8DOHC [298kW(405hp)/7100rpm、460Nm(47.0kg-m)/4750rpm]、トランスミッション=6速AT

マセラティ グラントゥーリズモ
マセラティ グラントゥーリズモ

マセラティにとってのGTの歴史は、1947年にピニンファリーナがデザインしたA6グラントゥーリズモから始まる。写真は1950年代後半〜60年代前半にかけて生産された2+2クーペの3500GTで、レースカーメーカーだったマセラティ初の量産オンロードモデルとして成功を収める。3.5リッター直6・DOHCに4速もしくは5速MTを組み合わせ、220km/hオーバーの最高速度を誇った。同時期のライバルモデルにはフェラーリ250GTなど。

そもそもグランドツーリングって何?

 今年3月のジュネーヴショーで華やかにデビューした新型マセラティの名は、イタリア語表記で「GranTurismo」、輸入元コーンズによる正式な日本語表記車名は「グラントゥーリズモ」という。いわゆる「GT」の語源であるイタリア語を、可能な限りイタリアの発音に近くカタカナ表示したものだ。GTの2文字がクルマの名前として使い古されたものであるところから、敢えてそれをフルに表示したと推測できるが、そこにはこのクルマを月並みなGTのひとつに位置づけたくないという、マセラティの特別な思いを感じる。

 19世紀のイギリスでは、貴族階級など富裕層の子弟や子女が、教育課程の最後にヨーロッパ大陸に修学のための長期の旅行に出るのが慣わしだったというが、その長期旅行をグランドツアーと呼んだのが英語のグランドツーリング、イタリア語でいうところのグラントゥーリズモの語源だといわれる。そのために仕立てられた、長時間にわたって長距離を走り続けることができる堅牢にして豪華装備の馬車が、いわばグランドツアラー、すなわち今日でいうGTの最初の姿だったというわけである。

 今日、グラントゥーリズモといえば、充分なパワーを秘めたエンジンと適度に俊敏かつ快適なシャシーを備えた、ドライビングをエンジョイしながら長距離を高速で走り続けられるスポーツライクなクルマを意味し、その多くはクーペボディを採用している。その昔「名ばかりのGTは道を開ける」という某日本車の挑発的なCMコピーがあったが、実は今でも名ばかりのGTは少なくない。そういった状況のなかにあって、マセラティ・グラントゥーリズモは、正真正銘のGTと呼べるクルマだった。

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