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試乗レポート   【 海外試乗 】

メルセデス・ベンツ
C63 AMG

レポート:河口まなぶ
写真:ダイムラー・クライスラー日本
試乗ステージ:ドイツ・フランクフルト郊外

【 C63 AMG 】

全長×全幅×全高=4726mm×1795mm×1438mm、ホイールベース=2765mm、駆動方式=FR、エンジン=6.3リッターV型8気筒DOHC[336kW(457ps)/6800rpm、600Nm(61.2kg-m)/5000rpm]、トランスミッション=7速AT、価格1020万円 ※データーは全て欧州仕様です。

メルセデス・ベンツ C63 AMG
メルセデス・ベンツ C63 AMG

トランスミッションはAMGスピードシフトプラス 7Gトロニック。ステアリングにはAMG製のパドルシフトを備え、S=スポーツ、C=コンフォート、M=マニュアルの3つのモードをもつ。シフトスピードはCに対して、Sが30%、Mが50%速まる。また、AMGモデルとしてははじめて、シフトダウンで回転を合わせるブリッパーを装備。ステアリングは新デザインのフラットボトムタイプ。シートも新設計のヘッドレスト一体型で、ナッパレザー仕様。電動サイドサポート&ランバーサポートも標準。ページトップの写真は歴代AMG。

歴代CクラスAMGがノーマルに思える

 高回転でも相当に高精度な回転感を伝える一方、サウンドは極めてワイルドである。その音はまるで、ライバルを情け容赦なくひれ伏せさせる残酷さすら想像させるほど。

 そんな感覚は今回のC63AMGでは、見た目にも十分に現れている。事実、歴代のCクラスAMGと比べると、それらがノーマルにすら思えるほど残忍なワルさが、隠しきれない派手さとともにエクステリアに漂う。つまりC63AMGは見た目でも中身でも、ライバルにはない「力づく」という本音の部分をあからさまに見せている。そしてそれは当然、ライバルのM3やIS Fにはない感覚。ライバルはあくまでハイパフォーマンス・スポーツセダンとしての正義感を振りまくが、C63AMGの場合は「それだけじゃ済まされないだろ?」と、こちらにも本音を問う感覚がある。だからそれが逆に素直にも思えるし、思慮の深さにも思える。そしてこれは圧倒的ハイパフォーマンスを長らく手がけてきたAMGだからこそできる技であり、これこそがAMGというブランドと、送りだされるクルマに漂うスペシャリティにつながっていると思えるのである。

 翻ってメルセデス・ベンツとしては最近のショーでは強く「環境!」と叫んでいるわけだが、それで納得したことがあった。ひとつの視点から見れば「メルセデス・ベンツ=建前」で「AMG=本音」とも取れる。で、こうした本音と建前を両極で徹底して攻めるからこそ、AMGにはBMWのMやアウディのSおよびRSとは異なる、示唆に富んだ特別感があるのではないか。事実、MはBMWの「駆け抜ける歓び」の延長にあり、SおよびRSはアウディの「技術による先進」の延長にある。対してAMGはメルセデス・ベンツで表現できない「本音」が存分に現れている。

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