名車300SLRの由緒正しき末裔
1995年からタッグを組んでF1世界選手権に参戦し続けているメルセデス・ベンツとマクラーレンが共同で開発した夢のスーパースポーツカー、メルセデス・ベンツSLRマクラーレンは、1999年1月のデトロイト・モーターショーに出品されたコンセプトカー「ヴィジョンSLR」を市販化したモデルである。「ヴィジョン〜」というのはメルセデスが市販を前提としてショーカーに付けるネーミングだが、実はこの時点ではヴィジョンSLRは単なるデザインスタディモデルに過ぎず、中身はそれに合わせて後から具現化されていったというこぼれ話もある。 その最大の特徴が、ワンピース成形のフルカーボンモノコックキャビンにアルミ製サブフレームを組み合わせたボディだ。当然、ボディ表皮もフルカーボン製。スチールに較べて50%の重量低減を実現するこの新素材を量産車に用いたことこそ、まさにマクラーレンの持つF1テクノロジーの結晶と言える。そして、その長い長いボンネットの下には、最高出力626psを発生するAMG製V型8気筒5.5リッターSOHCスーパーチャージャー・ユニットを搭載する。 そもそもSLRとは、1955年にイタリアで開催された公道レース、ミッレミリアを制するなど当時のレースシーンを席巻した300SLRを起源とする由緒正しきネーミングである。21世紀のSLRはレースにこそ参加していないが、名門マクラーレンとのタッグによって、その名に相応しいスーパースポーツカーとして降臨したのだ。
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